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【宮崎日日新聞】 ヒアリ対策

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■完璧な防除で本県農業守れ■
 毒を持ち、攻撃性の強い外来種のヒアリが国内各地で見つかった。腹部の先端にある針で刺されると、人によっては重いアレルギー反応が起こるため注意が必要だ。
 今のところ国内に定着した形跡はない。万が一定着すると、さまざまな被害が予想される。根絶は極めて難しく、対策には多額の費用がかかる。
 グローバル化で人や物が国境を越える動きが活発化する中、ヒアリのような有害な生物が入り込む可能性は高まっている。水際対策を徹底し、定着を防ぎたい。 米国では家畜に被害
 本県では見つかっていないが、温暖で、餌となる食物が豊富にあるなどヒアリが生息しやすい環境がある。爆発的に増えた米国では大豆、かんきつ類、ジャガイモといった農作物や家畜に被害が出ており、本県でも農業を守る観点からも完璧な防除を意識したい。
 国土交通省の要請を受けて、宮崎ブーゲンビリア空港の国際線貨物置き場、海外との定期便が就航している細島港、油津港にヒアリの侵入を確認するための捕獲キットを設置した。日本に輸出する前の貨物の防除も、海外と連携して確実に実施してほしい。
 港や空港など「入り口」となり得る施設で働く人や周辺住民に協力してもらえれば、早期発見に役立つ。本県でも県民への啓発が重要だ。
 ヒアリの原産地は南米。1930年代、米国に入り込み、天敵がおらず、爆発的に増えた。電気設備などにも被害が出ており、米国での経済損失は年間約6千億円との見積もりもある。生態系を乱す要因にもなっている。
 オーストラリアや台湾、中国でも繁殖が確認された。遺伝子の解析から、いずれも米国から侵入したとみられる。主要な貿易相手が軒並みヒアリに汚染され、日本に来るのは時間の問題だった。 早期発見し定着防ぐ
 ヒアリは赤茶色で体長2・5~6ミリ。日本の在来種と異なり、土で大きなアリ塚(巣)を作る。巣は高さ15~50センチ、直径25~60センチのドーム状に盛り上がる。
 巣は日当たりの良い場所に作られる。人の手が入って日当たりが確保される公園や農地、道路脇などは格好の場所だ。
 巣を見つけたら自分で駆除せず、自治体や環境省地方環境事務所に連絡してほしい。巣は構造が複雑で、熱湯を注ぐだけでは奥にいる個体を駆除できない。
 ヒアリに刺されると強い痛みを感じ、軽症の場合は10時間ほどで水ぶくれにうみがたまり、周囲が赤く腫れ、かゆみが続く。息苦しさや動悸(どうき)、目まいが起きたら重いアレルギー反応を疑い、すぐに病院を受診する必要がある。
 アリはさまざまな生物と共生関係にあり、生態系を支える重要な存在だ。在来種のアリがヒアリの繁殖を阻む可能性もある。殺虫剤をむやみに使って在来種まで殺すことがないように注意したい。

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