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【北海道新聞】 山本氏「発言」 やはり「加計ありき」か

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 学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設を巡る疑念は、さらに深まったと言わざるを得ない。
 内閣府の山本幸三地方創生担当相が日本獣医師会側と面会し、国家戦略特区制度を活用した四国での獣医学部新設を伝えていたと獣医師会関係者が明らかにした。
 面会が行われたのは加計学園が事業者に認定される約2カ月も前の昨年11月だった。
 獣医師会側の面会記録も存在するが、山本氏は発言内容を否定している。事実なら、学部新設は「加計ありき」だったとの指摘を裏付けるものとなり得る。
 加計とともに名乗りを上げていた京都産業大の計画と比較し、「熟度が高いと判断した」という従来の説明ともかみ合わない。
 衆参の予算委員会は週明けに安倍晋三首相も出席しての閉会中審査を行う。首相と山本氏が、手続きは公正だったと主張するなら、説得力ある根拠を示すべきだ。
 山本氏は新設に反対する獣医師会側に対し「獣医師不足の地域に限って新設する」と発言し、「今治市が土地で36億円のほか積立金から50億円、愛媛県25億円」などと負担割合も伝えたとされる。
 これに対し山本氏は「四国に新設」の発言を否定した。「京都もあり得る」と述べたとして、「加計ありき」ではなかったという。
 だが、仮に負担割合まで言及したのなら、獣医師会側が、政府は事実上加計を前提にしていると受け止めたとしても不思議はない。
 山本氏は、おととい午前の時点で、面会に同席した秘書官の「メモ書き」があると説明していたが、きのうは「メモは廃棄したと秘書官から聞いた」と述べた。
 担当閣僚と獣医師会の面会は、学部新設決定に至る過程の重要な節目になる。その記録を簡単に廃棄したとすれば、内閣府の公文書管理はあまりにずさんである。
 その一方で山本氏は、獣医師会側の文書内容は「思い込み」と断定している。不誠実な態度だ。
 山本氏や官邸、内閣府側はこれまでも、加計の学部開設を「総理のご意向」などと記した文部科学省の文書に、きちんとした反証の記録も示さずに否定を重ねた。
 閉会中審査も「言った」「言わない」の水掛け論に終始するようでは、国民の納得は得られまい。
 記録が本当にないのなら、真相究明にはより多くの関係者の証言を積み上げるしかない。政府・与党は衆参1日ずつの閉会中審査で終わらせず、野党が要求する臨時国会の召集に応じる必要がある。

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