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【北海道新聞】 トランプ政権 世界に背を向けた半年

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 国内では疑惑にまみれ、国際的には孤立が進む。米国はいったいどうなってしまうのか、そんな不安を抱かざるを得ない。
 トランプ政権が発足して半年が過ぎた。
 昨年の大統領選でのトランプ陣営とロシアの共謀疑惑「ロシアゲート」は政権を揺るがせ、トランプ氏の長男にまで嫌疑が及ぶ。
 地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」からの離脱を決定するなど、世界に背を向けるような動きも目立つ。
 政権の支持率も低迷を続けている。このようなかじ取りでは、目標とする「米国を再び偉大にする」ことなど到底不可能だ。
 トランプ氏には、疑惑への説明責任を果たした上で、国際協調路線に立ち返ることを望みたい。
 ロシアゲートは拡大の一途をたどっている。長男ジュニア氏は民主党のクリントン候補に関するスキャンダルの提供をロシア人弁護士から持ちかけられ、面会したことを認めた。
 ジュニア氏と、別のロシア関係者と面会した疑いのある娘婿クシュナー氏の2人は、近く議会で証言する。真相解明につなげなければならない。
 トランプ氏は次々と発覚する疑惑について、まともに説明してこなかった。それどころか、ツイッターを使って、疑惑を報じるメディアを「フェイク(偽)ニュース」と攻撃する。
 顔が「CNN」のロゴになっている男性を自身が殴っている動画まで投稿した。権力者とメディアは時に鋭く対立するが、悪ふさげが過ぎる。一貫性のない、思いつきのような発言も少なくない。
 最高権力者としての見識を疑わざるを得ない。
 曲がりなりにも公約を果たしたのは、異論が多いパリ協定からの離脱と、環太平洋連携協定(TPP)からの撤退くらいである。
 パリ協定は20カ国・地域(G20)で「1対19」の構図となり、米国の孤立ぶりがはっきりした。
 トランプ氏の政策には分断と対立がつきまとう。イスラム圏からの移民の入国制限、メキシコとの国境に壁を造る計画もそうだ。
 自国中心で排外主義的な政策に賛同する、自身の支持層しか眼中にないためではないか。
 日本を含めた国際社会は、北朝鮮情勢、中東和平などで米国との連携が不可欠である。あらゆるレベルで米国との対話を重ね、独善的な対外政策の軌道修正を迫る努力が必要だ。

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