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【読売新聞】 対中韓外交 河野氏は原則踏まえて改善を

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 まずは安全運転に徹した、堅実な外交デビューだったと言えよう。
 河野外相が初外遊で、フィリピンでの東南アジア諸国連合(ASEAN)関連外相会議に出席し、米中韓各国外相らと会談した。
 ティラーソン米国務長官との会談や日米韓外相会談で、北朝鮮の核・ミサイル問題に関し、国連安全保障理事会の追加制裁決議の着実な実施を通じて、北朝鮮に圧力をかけることで一致した。
 石炭、鉄鉱石などの禁輸による北朝鮮の外貨収入削減の実効性確保には、決議を厳格に履行する国際社会の結束が欠かせない。特に、北朝鮮貿易の9割を占める中国への働きかけが重要である。
 中国の王毅外相との会談では、日中の信頼関係やハイレベル対話を強化する方針を確認した。
 南シナ海での中国の軍事拠点化などに河野氏が外相会議で懸念を表明したことに対し、王氏は「率直に言って失望した」と批判した。河野氏は「中国には大国としての振る舞いを身に付けていただく必要がある」と切り返した。
 河野氏が中国の「力による現状変更」に懸念を示したのは当然であり、王氏に反論した内容も的確だった。中国の独善的な行動には、きちんと注文をつけつつ、大局的な観点から日中関係全体の改善を図ることが肝要である。
 日韓外相会談では、未来志向の日韓関係の構築で一致した。
 慰安婦問題について、河野氏は2015年の日韓合意の「着実な実施が重要だ」と語った。康京和外相は「国民の大多数が(合意を)受け入れられないのが現実だ」と述べ、議論は平行線だった。
 康氏の主張は、韓国の国内事情に過ぎず、韓国政府が合意を履行しない正当な理由にはならない。日本は、慰安婦問題の「不可逆的な解決」をうたった合意の順守をあくまで求め続けるべきだ。
 中韓両国には、河野氏の父である河野洋平・元衆院議長がハト派で、慰安婦問題の河野談話の当事者だったため、河野氏への過剰な期待があったようだ。河野氏が、安倍内閣の基本方針に沿った発言をしているのは適切である。
 河野氏は、核燃料サイクル見直しや政府開発援助(ODA)半減が持論だ。歯に衣(きぬ)着せずに外務省を批判したこともあり、外相の言動を心配する向きもあったが、今は独自色を封印している。
 今後も、外相の職責の重さを自覚し、現実的な外交活動に専念して、政界の「異端児」は卒業することが求められよう。

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