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【読売新聞】 日本ファースト 理念と政策の明示を最優先に

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 国会議員1人の政治団体の設立が、これほど注目されるのは異例だ。既成政党が国民の期待に応え切れていないことの裏返しと言えよう。
 東京都の小池百合子知事に近い無所属の若狭勝衆院議員が、政治団体「日本ファーストの会」を発足させた。地域政党「都民ファーストの会」と連携し、国政新党の年内結成を目指す。
 9月に政治塾を開講し、塾生らから次期衆院選の候補を選ぶ方針だ。都民ファーストと同じ手法で、7月の都議選に大勝した成功体験に基づく発想なのだろう。
 「安倍1強」の驕(おご)りや緩みへ批判が高まり、野党第1党の民進党も長期低迷が続いている。その中で、無党派層など非自民票の新たな受け皿作りを進める戦略だ。
 読売新聞の世論調査でも、都民ファーストの国政進出に「期待する」人は48%に上っている。
 新党には、民進党に離党届を提出した細野豪志・前代表代行や、長島昭久衆院議員らが参加する可能性が取り沙汰される。
 民進党には、共産党との選挙協力に不満を持つ保守系議員が少なくない。9月1日の代表選の結果次第で、党の分裂や野党再編につながる可能性も否定できない。
 問題なのは、日本ファーストが国政で何を目指すのか、肝心の具体像が見えないことだ。
 若狭氏は「小池氏の理念を全国に推し進める」と語る程度だ。小池氏も「既成政党では(民意を)カバーできない」と新党を後押ししつつ、自らは都政に専念するとして距離を置く姿勢も見せる。
 まずは、新党の具体的な理念と政策を示すべきだ。憲法改正や、経済再生、外交・安全保障にいかに取り組むか。自民党とどう違うのか。これらを明確にしなければ、国民は判断のしようがない。
 過去にも、既成政党への不満が高まった際、様々な新党が誕生した。離合集散の末、その多くは数年以内に消滅した。小池氏が関与した日本新党も、その一つだ。
 地域政党では、大阪維新の会が国政に進出し、今も一定の勢力を保つが、一時の勢いはない。
 国政では、地方政治と比べて、政党間の競争が激しく、党の総合力が問われる。小池氏と都民ファーストが今後、東京都政でどこまで実績を重ねられるか。それが新党の将来を左右しよう。
 既成政党には、新党への警戒感が広がる。今、大切なのは、自民党は政権党として、民進党は政権を将来担える野党として、それぞれ自らの存在感を示すことだ。

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