Home > 社説 > 全国紙 > 産経新聞 > 【産経新聞】 国税庁長官 会見拒否を放置するのか
E030-SANKEI

【産経新聞】 国税庁長官 会見拒否を放置するのか

そう思わないそう思う (+1 点, 1 投票)
Loading...

 憲法に定められた国民の三大義務とは、教育、勤労、納税である。
 税金の徴収を所管する国税庁のトップには、納税の意義を語り、納税意識を高める責務がある。その新長官が、慣例となっている就任会見を開かないことを決めた。
 極めて異例の事態である。会見拒否は、納税者の不信を招く。国税庁は理由について「諸般の事情」としているが、誰もがその「事情」について、承知している。
 新長官とは、前財務省理財局長の佐川宣寿氏である。佐川氏は大阪市の学校法人「森友学園」に国有地が売却された問題の担当局長として国会で追及を受け、何度も答弁に立ってきた。
 佐川氏はその都度、「記録は破棄した。面会記録はない」などと詳細な説明を拒み、批判された。会見を開けば、質問が「森友問題」に集中することを忌避したのだろう。誰もがそう思う。
 通常、新長官は就任2~3週間の間に会見を開き、課題や抱負を述べるのが慣例となっている。語りかける相手は、国民である。少なくとも最近十数年の新長官はいずれも就任会見を開いてきた。
 では、佐川氏はいつまで人前から姿を隠し続けるのか。時を経ても、「森友問題」から逃げることはできない。自らの口で、堂々と説明できない事柄を抱えたままでは、長官として不適格であるといわざるを得ない。
 同情すべきは、人前に出られない長官をトップにいただいた国税庁の職員である。
 脱税の罪とは、国を相手取った窃盗や詐欺に等しい。職員らは、そうした不正と最前線で戦う。
 その際、「資料は破棄した」「記憶にない」といった文言で反発されることが想像に難くない。すでに同様の批判や抗議が国税庁に届いていると聞く。
 内閣支持率が一時、急落したのは、「森友問題」などで十分に説明を尽くさなかったことにも起因している。
 安倍晋三首相自身、内閣改造にあたり「反省すべき点を反省し、結果を出すことで国民の信頼を勝ち取りたい」と述べたばかりではないか。
 異常事態を放置すれば、国民の信用、信頼を取り戻すことを難しくする。国の基本的な仕事である徴税を、自ら妨げようとしていることにも気付くべきだ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。