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【東奥日報】 審議過程を明らかにせよ/「加計」答申延期

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 加計学園が国家戦略特区制度を活用し愛媛県今治市で進める獣医学部新設計画を巡り、設置の可否を審議している文部科学省の大学設置・学校法人審議会が判断を保留することを決めた。月内に予定されていた林芳正文科相への答申は延期される見通しとなった。学園側が提示した学生の実習計画など教育内容が不十分と判断したという。
 獣医学部新設を巡っては前川喜平前文科事務次官が国会で、首相官邸や内閣府から設置認可の手続きを早めるよう圧力がかかり、行政がゆがめられたと証言。安倍晋三首相と加計学園の理事長との親密な関係が焦点となり、学園が特区の事業者に選定された過程について野党は「加計ありき」と批判を強めている。
 政府はこれまで、学園の計画は「獣医師の需要動向の考慮」など政府が2015年6月に閣議決定した獣医学部新設の4条件をクリアしていると強調してきた。設置審も4条件などに照らし審議を進めており、今回の判断により選定過程で条件を満たしているかどうか十分に検討したか、疑問符が付いたといえよう。
 設置審は今後、学園側に計画見直しを求めた上で審議を続ける。会合は非公開で行われるが、加計問題を巡る疑念が深刻なまでに深まり、行政の公平公正を問う声が高まっていることを重く受け止め、文科省は審議の過程を公開するべきだ。
 獣医学部新設を目指す加計学園は3月、国際的な獣医学教育や家畜の感染症防止の拠点化などを掲げ、定員160人というかつてない規模で設置認可を申請した。実現すれば、全国で獣医師を養成する学部の総定員は2割増となり、教育の質の確保に問題があるとの指摘も出ていた。
 学園側は教員を増員するなど計画を修正したが、設置審は学生の実習計画が不十分で学園側が掲げるライフサイエンスの獣医師養成に課題があるなどとし、判断保留の方針を固めた。
 特区の事業者選定を巡っては15年6月、特区ワーキンググループによる愛媛県や今治市へのヒアリングで、学園関係者が説明補助者として同席、発言していたが、議事要旨には記載がなかったなど、透明性に疑問をもたれかねない経過も新たに明らかになっている。この上、設置審の審議過程が明らかにされないのであれば、国民の納得は得られないのではないか。

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