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【茨城新聞】 地銀再編 競争環境と経営強化両立を

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ふくおかフィナンシャルグループ(FFG、福岡市)と十八銀行(長崎市)の経営統合が無期延期となった。統合を目指す姿勢は維持しているが、問題となった高すぎる貸出金シェアについては解決の見通しが立たず、統合計画は破談の恐れも否定できない。
今回は、人口減少やマイナス金利による経営環境の悪化に規模拡大で対応しようとした地銀に、公正取引委員会が競争政策上の要請から「待った」をかけた。
金融庁の試算では、2025年3月期には6割の地銀が本業の融資事業などで赤字になる。このままでは地域での金融サービスは細っていくということだ。そうした事態を防ぐための有力な方策として再編が課題となり、各地で模索が続いている。公取委は、そうした再編であっても、金融の寡占化で競争が阻害され、消費者の権利が侵されるようならば認めないと判断した。
再編実現の条件として一つのハードルが示されたわけだが、地銀の責任を果たすためにも果敢に挑戦してほしい。経営基盤強化と健全な競争環境維持の両立がキーワードだ。地銀の経営改革を後押しする金融庁にも力添えを求めたい。
新たに売り出した商品が好調で増産のために製造設備を増強したい。賞与原資がちょっと足りない-。そんなときの細やかな対応が期待されているのが地銀などの地域の金融機関だ。
こうした機能が低下していけば、中小・零細企業は支えを失う。資金繰りに詰まって廃業が相次げば、雇用や住民生活への大きな影響は必至だ。地域経済が衰退すれば日本経済全体に影響が及ぶ。グローバル化した世界経済下では、影響は日本だけでは済まない。
こうした中、地銀再編は不可避と考える。独禁当局には、地域の実情に合わせた金融サービスの在り方を模索する中で、競争政策の考え方や運用面の工夫はできないか、個別案件ごとに検討できる余地はないか、知恵を絞ってほしい。
翻って地銀経営者にも苦言を呈したい。人口減少は急に起きたわけではない。事業の収益性・将来性を適切に評価せずに融資先がないと嘆いていないか。担保を不動産に限定せず柔軟に対応し融資を続ける努力をしていれば、マイナス金利の影響は限定的なはずだ。資金を不動産貸し出しに安易に流し、カードローンなどの営業に傾斜しているなら、地域に正面から向き合った経営とは言えまい。
再編は生き残りを懸けた大きな流れだが、その前に、痛みを恐れることなくできる限りの経営改革を進める必要があるはずだ。それをすべて再編の中で解決しようとすれば、統合に余計な負荷がかかる恐れもある。
FFGと十八銀行には、これを機に公取委が示したハードルを越えるためにできることがないか点検してほしい。競争環境を維持するための債権譲渡額の適正な規模や店舗譲渡などについても聖域なく見直すべきだ。
再編が実現すれば、総資産規模が約19兆円に上り、横浜銀行と東日本銀行が統合したコンコルディア・フィナンシャルグループを抜き、最大の地銀グループになる。諦めれば、せっかく各地で盛り上がっている再編への機運は一気にしぼんでしまうだろう。それだけは避けたい。

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