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【西日本新聞】 給油所過疎地 拠点維持に地域の知恵を

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 近くに給油所のない「給油所過疎地」が増えている。
 市町村内の給油所が3カ所以下の自治体は、今年3月末で全国に302市町村を数え、前年度より14増えた。九州でも給油所が3カ所以下の自治体は25町村に及び、ゼロの自治体も2村あった。また、集落から給油所までの距離が15キロ以上の自治体も増えている。
 ガソリンや灯油は生活必需品だ。特に公共交通が不便で高齢者の多い地域にとって給油所は一種のライフラインでもある。災害時の燃料供給拠点としても重要だ。官民挙げてこの問題の解決に早急に取り組む必要がある。
 全国の給油所は、1994年度末の6万421カ所をピークに減少し、今やほぼ半減している。人口減や低燃費車の普及による需要減のほか、価格競争での事業採算の悪化も原因だ。
 中でも深刻なのは、中山間地域である。経済産業省が「給油所過疎地」の給油所1436を対象にした調査では、計28%が「今後の事業継続は未定」「廃業を考えている」と回答した。販売量減少に加え、経営者の高齢化や施設の老朽化などが理由だ。
 そんな窮状を打開する試みも始まっている。過疎化が進む大分県杵築市の大田地区では、5軒あった給油所が1軒になったのに伴い灯油のタンク巡回販売を始めた。
 国東半島の真ん中に位置し、冬場は積雪もあり、石油ストーブが欠かせない。高齢化で石油を買いに行くのが困難な世帯も増えたため、県や市、給油事業者などの負担で希望世帯に灯油タンクを設置した。巡回車で給油し、使用分の料金を支払う仕組みだ。巡回時に安否確認も行うなど好評という。
 存続の厳しい給油所を自治体が買い取ったり、地域で共同運営に参加したりする動きも出てきた。
 過疎地の給油拠点維持には給油所を油類販売だけでなく、地域のサービス拠点として再生する地元の熱意と知恵が必要だ。行政の支援とともに安全に留意した上での規制緩和も求められる。地域の英知を結集したい。

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