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【富山新聞】 ブラジル移民100年 細くとも強い絆維持したい

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 石川県から最初の移民がブラジルに渡り、今年で100年を迎えた。富山県からの移民は今年が90年となり、両県とも節目を祝う訪問団を派遣し、交流を深めた。地理的なハンディもあって、友好を深めていくのは容易ではないが、人的交流が途絶えてしまうのはもったいない。苦難の道のりをたどった先人に思いをはせ、細くとも強い絆を維持していきたい。
 戦前・戦後を通じて日本から推計約25万人がブラジルへ渡った。現在もブラジルには約150万人の日系人が住み、世界最大の日系人社会を形成している。
 日系人を中心に日本で働くブラジル人も多く、石川県には960人、富山県には2千人が工場などで働いている。609人が住む小松市では、ブラジル料理店などを核にコミュニティーが形成され、地域に根付いている。7月には初めて「ブラジリアン柔術」の北陸地区大会が開催されたほか、ブラジルの伝統スポーツ「カポエイラ」やサンバ、ボサノバといったダンス・音楽も広がりを見せている。
 石川、富山両県は長らくブラジルの日系人社会と交流を続けてきた。金沢市はブラジルのポルト・アレグレ市と結んだ姉妹都市提携が今年で50周年を迎えるのを機に訪問団を派遣し、18日にポルト・アレグレ市で開催される記念式典に参加する。
 民間交流も盛んだ。高校相撲金沢大会では、活躍した選手を選抜し、これまで8度のブラジル遠征を行い、相撲の普及を後押ししてきた。また、今年のリオのカーニバルには富山県在住の女性2人を含む16人がパレードに正式参加し、喝采を浴びた。こうした民間交流を地道に続けていくことも大切だろう。
 日系2世、3世は、教育水準が高く勤勉なことから政官界、経済界をはじめ、多様な分野で活躍している。ブラジル屈指のサンパウロ大学の学生の15%が人口比で1%に満たない日系人の子弟という。既に5世、6世が登場し、日系人意識が薄れていくのは致し方ないことだが、日本との交流が日本人としてのアイデンティティ(同一性)を再認識する機会となることを期待したい。

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