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【日経新聞】 米朝ともに軍事緊張を高める言動慎め

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 北朝鮮と米国が互いに、武力行使をほのめかすような過激な言葉の応酬を繰り広げている。朝鮮半島の緊張を高め、軍事的な衝突につながりかねない危険な威嚇や言動は厳に慎むべきだ。
 核やミサイルの挑発を続ける北朝鮮は7月、米本土攻撃を想定した大陸間弾道ミサイル(ICBM)級のミサイル発射を2度も強行した。国連安全保障理事会は新たな制裁決議を採択したが、北朝鮮は米国への「断固たる報復」で対処すると猛反発していた。
 度重なる暴挙に業を煮やしたのか、米国のトランプ大統領は先週、北朝鮮が脅しを続けるなら「世界が見たこともないような炎と怒りに直面するだろう」と発言。その後も「軍事的解決をとる準備は完全に整っている」などと軍事行動の可能性をちらつかせ、激しくけん制するようになった。
 一方の北朝鮮も米軍基地のある米領グアム周辺への中距離弾道ミサイルの発射を予告した。4発を同時発射しグアム沖30~40キロメートルの海上に着弾させる計画で、ミサイルは日本の島根、広島、高知の各県上空を通過するとしている。
 金正恩(キム・ジョンウン)委員長はこの計画について「米国の行動をもう少し見守る」と表明したという。米国に譲歩を促し、交渉への駆け引きに利用する思惑なのだろうが、米朝間で繰り広げられている最近の威嚇のレベルは明らかに度を越している。
 北朝鮮の核問題は平和的な解決が欠かせない。まずは厳しい経済制裁で北朝鮮に自制を促す。そのうえで米国が主導する対話によって、核・ミサイル開発の中断や放棄を粘り強く促していくしかあるまい。そのためには中国、ロシアを含む国際社会が結束し、安保理決議の厳格な履行などで制裁圧力を強めていくことが肝要だ。
 もちろん、北朝鮮の行動は予測不能なだけに、万一の事態に備えた防衛体制の強化も怠れない。
 米韓は21日に朝鮮半島での合同軍事演習を開始する。9月9日は北朝鮮の建国記念日だ。日本の上空を通過するような弾道ミサイル発射は言語道断だが、北朝鮮が言葉の威嚇にとどまらず、実際に強行する恐れは否定できない。
 日本政府は中四国4県の陸上自衛隊駐屯地に地対空誘導弾パトリオットミサイル(PAC3)を展開した。さらに米韓との情報共有を密にし、不測の事態に備えて万全の態勢を敷いてもらいたい。

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