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【熊本日日新聞】 日米2プラス2 朝鮮の動き見極めたい

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 トランプ米政権発足後初の日米両政府の外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)が米ワシントンで開かれ、北朝鮮の非核化と弾道ミサイル開発阻止に向けて圧力をさらに強めることを確認した。
 「核の傘」の提供を含む米国の日本防衛への関与も確認。日本側は、集団的自衛権の行使を容認した安全保障関連法を踏まえ自衛隊の役割を拡大して日米同盟を強化すると表明した。
 北朝鮮が米領グアム周辺への弾道ミサイル発射計画を公表するなど挑発を強める中、日米が連携して対抗する姿勢を明確にした意義は大きい。不測の事態に備える意味でも一定の成果があろう。
 ただ圧力強化だけで北朝鮮を押さえ込めるとも思えない。「対話のための対話では意味がない」(河野太郎外相)との主張はもっともだが、強硬論に固執して解決の機会を見失っては元も子もない。
 金正恩[キムジョンウン]朝鮮労働党委員長は14日に「愚かな米国の行動をもう少し見守る」と述べ、発射計画を当面、留保することを示唆。これに対しトランプ大統領は16日にツイッターで「金委員長は非常に賢明でよく考えた決断を下した」と評価した。両トップの発言は緊張緩和に向けた打開策を模索する動きとも取れる。日本には、こうした米朝間の対話の動きを見極め、冷静な対応を進めてほしい。
 2プラス2では、国連安全保障理事会が採択した新たな制裁決議を厳格に履行することの重要性も確認した。制裁決議は北朝鮮の主産品である石炭などの禁輸が柱で、確実に履行されれば金政権にとって大きな痛手となる。
 だが、北朝鮮に影響力を持つ中国が本腰を入れるかは不透明なままだ。このため日米両政府は、中国が断固たる措置を取るよう働き掛けを強めることで一致した。
 日米両政府は、弾道ミサイル防衛体制を拡充することでも一致。小野寺五典防衛相は、海上自衛隊のイージス艦に搭載している迎撃型ミサイルを地上配備する「イージス・アショア」を導入すると米国側に伝えた。導入されれば、陸海双方からの監視によって体制に厚みが増す。日米が共同開発中の改良型迎撃ミサイルも搭載でき、迎撃可能な高度や防護範囲、命中精度も向上するという。
 だがイージス・アショアの導入には数年かかり巨額の費用も必要となる。危機を理由にした装備増強が逆に緊張を招く危険性も否定できない。自衛隊と米軍の一体化がさらに進む懸念も強まる。
 日本にとって最も心配なのは、米朝の挑発合戦が軍事行動にまで発展してしまうことだ。金委員長の出方は予測困難で、トランプ大統領の言動にも不安が拭えない。一方で、米朝が日本の頭越しに対話を進め、北朝鮮の核保有を認める事態となれば、北東アジアの不安要因は固定化してしまう。
 こうした事態を招かないよう、日本側は米政府に対して綿密な情報の提供と、自制的な行動を求め続けるべきだ。

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