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【西日本新聞】 東芝決算報告 時間のロスは許されない

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 東芝が2017年3月期決算を含む有価証券報告書を先週、やっと関東財務局へ提出した。6月末が期限だったが、監査法人との調整が難航した末の提出である。
 「限定付き適正」の監査意見を得たことで上場廃止のリスクが高まる事態はひとまず回避された。とはいえ、上場維持に向けて東芝の前途には幾重ものハードルが待ち構える。まずは半導体子会社を一刻も早く売却し、来年3月末の債務超過を回避するのが急務だ。もう時間のロスは許されない。
 提出の遅れは、会計処理を巡る東芝と監査法人の対立が原因だ。東芝は米原発事業で巨額損失が出ることを昨年12月、米子会社からの報告で知り、損失を計上したとしている。監査法人は、東芝がもっと前に知りながら処理しなかった可能性があると主張し、決算を確定できていなかった。
 最終的に、監査法人が「米原発事業の損失計上時期を除き、財務諸表は適正」と、一応の「お墨付き」を与えて提出に至った。
 懸案が一つ片付いたのは間違いない。だが目下の危機は、東芝が右往左往する中で再建策が遅々として進んでいないことである。
 その筆頭が半導体子会社の売却問題だ。産業革新機構が主導する「日米韓連合」を優先交渉先に選び、6月28日までの契約を目指していた。ところが売却に反対する協業先の米ウエスタン・デジタル(WD)との対立は訴訟合戦に発展し、契約は宙に浮いたままだ。
 どこに売却するにせよ、WDとの対立を一刻も早く解消する知恵と手腕が必要だ。売却が決定しても、各国の独占禁止法審査に半年はかかる。もはや余裕はない。
 内部管理体制の改革も急務だ。15年に発覚した不正会計問題を受け、東京証券取引所は東芝の上場維持の可否を審査している。企業体質の改善は進んだのだろうか。
 ここ数年、東芝を巡っては経営見通しの甘さ、交渉の段取りの悪さ、意思決定の遅さが露呈した。半導体子会社の売却を急ぐ一方、売却が間に合わない事態への対応も検討しておくべきだろう。

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