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【日経新聞】 EUは独仏中心に統合深化の案を固めよ

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 欧州連合(EU)からの離脱条件をめぐる英国とEUの交渉が難航している。英政府が貿易分野などの交渉方針を出し始めたのは前向きな動きだが、EU側との溝は深く、先行きは見通せない。
 交渉が進まないのは、英国内の路線対立が一因だ。一方のEU側も、柔軟に落としどころを探る姿勢が必要だ。交渉が失敗したまま英国が強制的な離脱に追い込まれれば、世界経済に多大な影響が及びかねない。
 同時に求められるのは、英国が抜けたあとのEUがどんなかたちになり、欧州統合をどう進めていくのかという今後の姿を描き、世界に示すことだ。
 欧州は昨年来、排外的なポピュリズム(大衆迎合主義)勢力に揺さぶられた。今年5月のフランス大統領選挙で穏健な中道路線のマクロン氏が極右候補を退けたのを機に、足元は落ち着きを取り戻している。EUにとって態勢を立て直し、将来の見取り図を議論して改革を進める好機である。
 重要な改革のひとつはユーロ圏の強化だ。ギリシャの財政・金融危機のような事態を防ぎ、単一通貨を効果的に機能させていくには、より強靱(きょうじん)な体制への変革が必要不可欠だろう。
 ユーロ圏の共通予算や、それを所管するユーロ圏財務省の創設などが選択肢としてあがっている。
 今後の統合の進め方も大きなテーマだ。独仏などが分野によって先行して統合し、後続組などと差をつける「多速度式」が検討されている。独仏を中心に統合深化の具体策を詰め、求心力や結束力を保っていかなくてはならない。
 EUはポーランド与党の司法介入の動きを問題視して是正を求めるなど、一部加盟国との確執も目立つ。スペインを襲ったテロで治安対策にも改めて注目が集まる。課題が山積し、改革と結束に向けた取り組みが問われる局面だ。
 マクロン仏大統領は、自国の経済改革に向けた歳出削減への反発などから、支持率が低下しているが、欧州の若きリーダーとしてEUの前向きな将来像を示す役割が期待される。
 EUの盟主とも呼ばれるドイツの指導力は欠かせない。9月下旬に予定する総選挙では、メルケル首相の与党が勝って首相続投が決まるとの見方が多い。ドイツが長期的な視点にもとづき、EUの立て直し議論や英国との離脱交渉を建設的に進めることを望みたい。

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