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【日経新聞】 「だます犯罪」に備え固めよう

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 今年1~6月の半年間に、全国の警察が把握した刑法などに触れる犯罪(刑法犯)の件数は約45万1千件だった。警察庁によると、年間を通して戦後最少となった2016年の上半期をさらに8%近く下回っている。
 殺人、強盗などの凶悪犯や窃盗などが大きく減っており、犯罪減少の基調が続いている。この流れをさらに加速させ、一段の犯罪抑止を図っていきたい。
 だがこうした中、いっこうに歯止めがかからない分野がある。その代表が「特殊詐欺」と呼ばれる犯罪だ。高齢者らを狙い子どもや孫を騙(かた)って電話をかけるおれおれ詐欺や、ニセの請求話をでっち上げて現金を振り込ませる架空請求詐欺などが含まれる。
 上半期に警察が把握した特殊詐欺は8863件で、昨年の同じ時期より38%増えた。被害総額は6.5%減ったものの約187億円に上り、依然として巨額のカネが犯罪集団に流れ込んでいる。
 携帯電話から無差別に仕掛けられるため捜査は難しく、警察は有効な打撃を与えられていない。これまで以上に詐欺グループの摘発と、広報・啓発など抑止の両面で力を入れていく必要がある。
 最近では犯行に使われた電話番号に警察が電話をかけ続けて使えなくする方法などが試みられている。法改正で特殊詐欺の捜査に通信傍受が使えるようにもなった。あらゆる手段を動員して対応していくしかない。
 一部の金融機関では一定期間振り込み実績のない高齢者の口座について、ATMからの振り込みをできなくするといった制度を始めた。振り込む場合は窓口に行くことになり職員らが注意を促せる。
 「だます犯罪」に強い社会を築くためには警察はもちろん、金融機関や関係業界がそれぞれの持ち場で知恵を絞る必要がある。
 なにより私たち一人ひとりの備えが欠かせない。別居している家族がいれば連絡を取り合い、不審な話があればまず家族や警察に相談するよう心がけていきたい。

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