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【高知新聞】 【防災の日】自ら考え行動する習慣を

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 7月から8月にかけて、全国で集中豪雨の被害が相次いだ。民家や道路、車などが濁流にのみ込まれた痛ましい写真、映像を何度目にしたことだろう。
 きょう9月1日は防災の日だ。関東大震災の教訓を忘れず、自然災害への備えを考えようと制定された。台風来襲が多い時季であることも、この日が選ばれた理由だ。
 地震、台風をはじめ、日本は何度も自然災害に見舞われてきた。地球温暖化の影響が指摘される中、近年目立つのは集中豪雨による被害の深刻さである。
 気象庁が8月に気掛かりな統計を発表している。1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が降る頻度が、1970~80年代に比べ、近年は約3割増えているという。雨の降り方が局地的で、集中化、激甚化する傾向にあると分析もしている。
 7月初旬に九州北部を襲った豪雨は記憶に新しい。数十年に1度の極めて特異な災害が予想されるとして大雨特別警報が発表された。
 気象庁の統計が示すように、1時間の雨量が50ミリを超えることも頻繁になった。1時間50ミリ以上ともなると、屋外では視界が利かなくなり、傘が全く役に立たないとされる。身の危険さえ感じる人が多いだろう。九州北部の豪雨では最高で1時間129・5ミリを記録している。
 その後も北海道、東北、北陸、首都圏などが被害を受けた。集中豪雨は予測の難しさがよく指摘される。いつ、どこで起きても不思議はない状況といえよう。
 自然災害からは逃れられまい。危険と隣り合わせなのが現実だが、備えることで被害を軽減させることは可能だ。災害で得られた教訓を対策にしっかり生かしていきたい。
 豪雨に関して注意しなければならないのは、河川が氾濫し「あっという間に浸水した」という証言がよく聞かれる点だ。瞬時の判断を迫られることはあり得る。注意報や警報、自治体による避難関連の情報には注意が欠かせない。
 一方で黒潮町の防災教育指導に関わっている片田敏孝・東京大学大学院特任教授は「避難勧告が出ていても逃げない方がいい場合もある。自分が取るべき行動を主体的に考えることが重要だ」と警鐘を鳴らす。深夜の災害なら、避難に危険が伴うケースがあるかもしれない。
 求められるのは一人一人が、適切に判断し、迅速な行動を取れるよう日ごろから心掛けることだ。避難経路、地域の危険箇所を確認し、防災用品も抜かりなく用意したい。高齢者や病気の人、体が不自由な人が身近にいれば、さまざまな可能性を想定しておくべきだろう。
 高知県では南海トラフ地震への備えが最大の関心事でもある。災害時に、どうやって身を守ろうかと日ごろから考えている人も多いのではないか。その積み重ねが、いざという場合に生きるはずだ。
 油断することなく防災意識を高めていく心構えを持ちたい。

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