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【京都新聞】 教員の非正規化  許されぬ人事の調整弁

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 京都府内の小、中学校でクラス担任など重要な業務を担う教員の12人に1人が非正規の常勤講師で占められていることが分かった。常勤講師の割合は、国が定めた教員定数の7・8%に当たり、全国平均を上回っている。
 文部科学省が、2016年5月1日時点で調べた結果、京都府で常勤講師が888人おり、滋賀県は定員の6・9%に当たる508人が働いていた。全国で常勤講師の比率が高いのは、沖縄県の15・5%で、定数を正規教員で満たしたのは東京都だけだった。
 教員定数に占める常勤講師の割合は国全体で増えている。05年度は5・6%だったのが、16年度は7・1%に増えており、全体で4万人を超えた。
 常勤講師は本来、教員の病気や出産、育児など緊急の事情があった場合の臨時的な任用とされた。しかし、実際には任用が常態化している。教員の1割近くが非正規の立場で働いていることは見過ごせない。人を育てる学校現場として、このような事態が続くことは許されない。
 常勤講師は、担任やクラブ活動の指導など正規教員と同様の仕事を与えられている。しかし、勤務時間などは正規と変わりないのに、給与はより低く抑えられている。年度ごとに任用されるため、3月中旬までは翌年度の採用があるか分からず、身分は不安定なままだという。学年が始まるまで時間的余裕がなく、授業準備が間に合わないという指摘は重い。
 府と京都市の両教育委員会によると、少子化の進展により将来の学級数が減り、いじめや不登校、特別支援など特定の課題に対応する教員の「加配定数」が変動するため、常勤講師の必要数が常に上下する。このために、常勤講師は教員人事の「調整弁」の役割を果たさざるを得ないという。
 最近は、定年後も再び教壇に立つ再任用教員の増加も指摘される。京都府教委によると、OB先生は正規教職員に含まれ、本年度は約200人に上り、正規教員全体の2%弱だという。再任用を希望する人の数を早めに確定するなど改善の余地がありそうだ。
 全国の小中学校では、先生の働きすぎが問題になっている。文科省が今年春に公表した教員勤務実態調査では小学校で33%、中学校で57%以上の先生が「過労死ライン」を超えた勤務になっている。
 常勤講師の待遇改善を含め、政府には教員制度の抜本的な工夫を求めたい。

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