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【福島民友新聞】 全国学力テスト/応用力育む授業で底上げを

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 子どもたちの応用力を伸ばす授業に力を入れ、学力の全体的な底上げを図りたい。
 文部科学省が、小学6年と中学3年を対象にした全国学力テストの結果を公表した。テストは今回が10回目。教科は国語と算数・数学で、それぞれ基礎知識を問うA問題と応用力をみるB問題がある。
 県内の公立小中学校に通う児童生徒の平均正答率は昨年度に比べて全科目で全国平均との差が改善し、都道府県別の順位も上昇した。
 しかし、全8科目のうち正答率が全国平均を上回ったのは小6の国語Aと算数A、中3の国語Aの3科目にとどまった。以前から課題だった応用力を問う科目は全て全国平均に達しなかった。県教委や各市町村教委、各学校は10回にわたるこれまでの学力テストの結果を丁寧に分析し、確実に弱点を克服していかなければならない。
 子どもたちが大人になる頃には、いまにも増して国際化が進み、人工知能(AI)の発達も見込まれる。複雑で多様な社会を生き抜く力を身に付けるためには、思考力や表現力を高めることが欠かせない。そのためには普段の学習で応用力を鍛えることが大切だ。
 県教委は、応用力の強化に向けて、一方的に教師が教える授業を見直し、討論や発表を重視する学習方法を取り入れていく方針だ。また、教師の専門性を生かした小学校の「教科担任」や、一人の教員が学年をまたいで教える中学校の「タテ持ち」制度の導入も視野に、モデル校で取り組む。
 県教委にはモデル校での成果を検証し、授業の質の改善につなげていくことが求められる。
 数学の学力向上策は長年の課題となっている。基礎、応用力の両問題ともに2007年の全国学力テスト開始以来、一度も全国平均を上回っていない。
 テストと同時に実施した学習状況の調査では「算数・数学の授業内容がよく分かるか」との問いに対し、肯定的な回答をしたのは小6が8割を超えたが、中3は7割に達しなかった。生徒の理解が深まる数学の指導法について、小学校と中学校の教員が連携して研究を進めるのも一つの方法だ。
 学力を向上させるためには家庭での取り組みも重要だ。県教委は効果的な家庭学習を実践するための手引を年内に作成する。家庭での学習習慣の定着に役立てたい。
 全国学力テストの結果では、今回も新聞をよく読む子どもほど成績が良かった。毎日とどく「生きたテキスト」を有効に活用し、読解力の向上とともに、子どもの社会に対する関心を高めたい。

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