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【秋田魁新報】 県民会館閉館へ 利用者の不便最小限に

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 県と秋田市が共同で新文化施設を建設するのに伴い、県民会館(秋田市千秋明徳町)が来年5月末に閉館、解体される。県民会館には県内最大の約1800席のホールがあり、演奏会や大規模な行事などに使われている。閉館から新文化施設が完成するまでの4年近く、こうした文化活動やコンサートなどは他の施設を利用せざるを得ない。
 この間、舞台発表や芸術・音楽鑑賞への影響を最小限にすることが大切だ。文化活動の停滞を招かぬよう、行政と利用者は共に知恵を絞りたい。
 県によると県民会館の年間利用回数は平均225回で、来場者は17万~18万人に上る。用途は音楽が6割で、式典・大会が2割弱、学校行事1割となっている。特に本県で盛んな中学、高校の吹奏楽の利用が目立つ。入場者数別では、1200人を超える大規模な催しが年平均64回ある一方、500人以下の催しも100回ほどあり、大小さまざまなニーズで使われている。
 2021年度後半に新施設が完成するまで、利用者には代替会場を確保できるか不安視する声もあり、他施設を利用しやすい環境を整えることが重要だ。県と秋田市は、利用者が別会場を使う場合の移動費用の助成などを検討しているという。会場選定は1年以上前から行われることが多いだけに、助成の仕組みを早期に示してもらいたい。
 県内には500席以上の客席を備えた文化施設が20近くある。音響や舞台設備が整っていても、地域外には十分知られていないことが多い。県民会館閉館後の4年近くは各自治体にとって、利用者を取り込んで交流人口を増やすチャンスになる。積極的に施設の特徴などをアピールし、さまざまな利用層に訴える必要がある。
 県芸術文化協会が県民会館で開催している「県芸能フェスティバル」には、毎年加盟10団体前後が参加し、舞踊や合唱などを披露してきた。800~900人が訪れるイベントで、閉館後は県北、県南、県央と1年ごとに巡回開催することを検討している。秋田市まで来て鑑賞できなかった人が、近場で舞台を見る機会になる。開催を機に同協会と地元の文化団体が協力し、新たな交流事業を立ち上げるなど、地域文化を盛り上げる契機としたい。
 固定席が約2500席ある県立武道館(秋田市新屋町)は、音響、照明機器などを搬入すればコンサートなどにも対応できる。大規模イベントの開催を逃さないよう、県は武道館の活用を一層PRすべきだろう。
 県民会館に隣接し、研修室や音楽練習室、小ホールがある分館ジョイナスも、県民会館と同時に閉館する。学生や社会人のバンド練習や各団体の小集会などに利用されており、影響を受ける人は少なくない。県はこれまでの利用ニーズを細かく把握し、代替施設の紹介に努めてほしい。

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