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【北國新聞】 無形文化財の継承 担い手づくり工夫重ねて

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 伝統行事や芸能などの無形民俗文化財の継続が全国的に困難になってきている中、石川、富山両県で地域の宝を次代へ伝える新たな動きが出ている。輪島市門前町では今年度から、民謡「能登麦屋節」の継承に町内の全小中学校が取り組み、富山県では行事の開催日を変更するなどして、後継者育成や参加者を増やそうという試みが見られる。工夫を重ねて地域の文化財を守っていきたい。
 日本代表する「山・鉾(ほこ)・屋台行事」として、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された七尾市の青柏祭(せいはくさい)や高岡市の高岡御車山(みくるまやま)祭などは今年も盛り上がりを見せ、地域を活気づけた。規模は違っても、地域の文化財は住民の心のよりどころであり、地域の実情に応じて継承を目指す取り組みは、過疎や少子高齢化など共通の課題を抱える各地の参考になるだろう。
 輪島市門前町が発祥と伝わる県無形民俗文化財「能登麦屋節」は毎年、全国大会が開催されているが、地元の出場者が少なくなり、保存会員の高齢化も進んでいる。このため、市と保存会が連携して、門前町内の全3小中学校の授業で歌と踊りを教えて、郷土芸能の学習と継承を図ることにした。
 学校での体験や、地域外から参加を促す取り組みは増えており、能登のキリコ祭りでも大学生らの担ぎ手が目立っている。熱心な指導者や受け入れ態勢が欠かせないが、若者たちの参加は地域に活力をもたらす。
 この夏は行事に参加しやすくする取り組みも相次いだ。黒部市の県無形民俗文化財「中陣地区のニブ流し」は7月31日に開催日を固定していたが、今年から7月の最終日曜日に開催し、他地区の10人を含む25人の子どもたちが参加した。富山市無形民俗文化財「さんさい踊り」を継承する富山さんさい踊り大会も、これまでの7月14、15日開催から両日に近い土日曜日に変更した。
 より多くの人が行事に参加することで、歴史や意義を知るきっかけとなり、担い手づくりにつながることを期待したい。

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