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【茨城新聞】 民進代表に前原氏 双肩に日本政治の行方も

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崖っぷちに立つ民進党の新代表は前原誠司元外相に決まった。前原氏には2012年末の政権転落以後、代表を代え、党名を変えてもいっこうに回復の兆しが見えない党勢立て直しという難役が任せられる。
与党経験を持つ、二つの主要政党が相互にチェックし合い、交代で政権を運営する-。衆院選に小選挙区制度を導入した際、目指した健全な二大政党システムだ。
しかし、一時、その一翼を担った民主党の後継政党である民進党は7月の東京都議選で歴史的惨敗を喫し、細野豪志元環境相ら有力議員を含む離党者が相次ぐなど崩壊の危機にひんしている。
自民、民進両党による二大政党システムが破綻する可能性があるのだ。新たに政権交代をなし得る政党が出来上がるまでには10年前後、あるいはそれ以上の長い時間がかかるだろう。
その意味で民進党のかじを取る前原氏の双肩には日本政治の行方もかかっていると言っても過言ではない。
前原氏は就任早々、10月22日の衆院青森4区、新潟5区、愛媛3区の「トリプル補欠選挙」を迎える。3補選はいずれも自民党議員の死去に伴うもので、与党にとっては有利とされる「弔い合戦」となる。
しかし、学校法人「森友学園」や「加計学園」問題、南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報隠蔽(いんぺい)問題で安倍内閣が国民の信頼を失った中で、前原氏が率いる民進党がどれだけ政権与党に批判的な世論の受け皿となり得るかが問われる。
そこで焦点となるのが、これまで衆院選では明確な協力を行ったことがない共産党、そして最大の支持団体である連合との関係だ。代表選を通じて前原氏は共産党との協力について、理念、政策の一致が前提となるとして慎重姿勢を示してきた。一方、連合については連携強化を図る考えを示している。
前原氏の主張は、改選1人区で候補者の一本化を行った16年参院選前までの路線への回帰だ。しかし、代表選を戦った枝野幸男元官房長官は共産党も含めた野党候補一本化に前向きで、連合とは「一定の間合い」をとる、と述べるなど党内には前原氏の路線に異論も少なくない。
また、小池百合子東京都知事に近い若狭勝衆院議員が年内の立ち上げを目指している国政政党との連携についても前原氏は模索する考えを示しているのに対して枝野氏は「自民党の補完勢力」と切り捨てている。
路線の違いをどう乗り越えてトリプル補選を乗り切るのか、前原氏の統治力が試される。
それは政策面でも同様だ。前原氏は「親の所得によって大学進学率が変わる。格差が再生産されている。全ての子どもに平等な社会をつくりたい」などと述べ、教育無償化などのため19年10月に予定されている消費税率10%への引き上げについて予定通りの実施を訴えているが、枝野氏は否定的で、当面は国債発行でまかなう考えだ。
アベノミクスへの対立軸として再分配強化策では一致しているものの肝心の財源で対立している形だ。前身の民主党は与党時代、消費税増税を巡って分裂、政権から転落した経験を持つ。
失敗の教訓を生かすことができるか否かが党再生のカギを握る。

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