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【朝日新聞】 前原民進党 愚直に、一歩一歩前に

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 自民党政権に代わりうる「国民の選択肢」たりうるか。岐路に立つ民進党の新代表が、前原誠司氏に決まった。
 民進党を見る国民の目は厳しい。「この場で政権交代を言っても、国民は『何を言っているんだ』という状況になる」。代表選出直後のあいさつで前原氏が語った言葉は、この党の置かれた苦境を映し出す。
 前原氏が肝に銘じるべきは、野党第1党の使命の重さだ。
 政権党がおごり、緩んだ時、交代可能な民意の受け皿がなければ、民主政治そのものへの不信につながりかねない。
 国民の信頼を取り戻すのは容易ではあるまい。それでも、与党の政権運営を監視し、政策を検証し、もう一つの解決策を提示する。民進党は何をめざすのか、何ができるのかを国民に分かりやすく説明する。野党の役割を見つめ直すことから一歩一歩、愚直に出直すしかない。
 代表選を通じて、足がかりは示された。消費税は予定通り再来年に引き上げ、再分配のあり方を見直して格差解消につなげる。憲法改正は立憲主義を重んじ、安倍政権が主導する議論にはくみしない。原発は「2030年代ゼロ」をめざしてあらゆる政策資源を投入する……。
 代表選を争った枝野幸男氏とは政策を進める行程に違いも見られたが、おおまかな方向性は一致していた。さらに党内論議を深め、理念と政策を鍛え直さねばならない。
 次期総選挙にどう臨むかも重要な論点だ。ここでも忘れてならないのは、自民、公明の連立政権にどう向き合うかだ。
 小選挙区中心の衆院選挙制度のもとで、自公は固い選挙協力の体制を組んでいる。これに対抗するには、野党勢力や幅広い市民団体などとの連携が不可欠だ。その結集軸をつくる責任は野党第1党にある。
 前原氏を支持した議員たちには小池百合子都知事らによる再編への期待もくすぶるが、風に頼るばかりでは地に足のついた政治は望みようがない。
 10月22日の衆院3補選が試金石となる。衆院議員の任期は来年12月半ばまでだ。次の政権選択の機会は、遅くともあと1年数カ月の間にやってくる。短兵急に事を運ぶのは禁物だが、悠長に構える余裕もない。
 党運営のあり方も大きな課題だ。旧民主党政権の挫折から約5年、毎年のように党代表が代わる寄り合い所帯のバラバラ体質をどう改めるか。
 前原氏はもちろん、すべての議員に、野党第1党の責務への自覚が求められる。

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