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【河北新報】 民進党代表に前原氏/地方の基盤づくりを急げ

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 民進党の新たな「顔」がきのう、決まった。前原誠司元外相(55)が、枝野幸男元官房長官(53)との一騎打ちを制し、代表に選出された。
 党は支持率回復の兆しがないまま離党者が相次ぎ、閉塞(へいそく)感が充満している。まさに存亡が懸かった瀬戸際だ。立て直しのラストチャンスと言っていいだろう。
 前原氏も「非常に難しい船出」と認め、「新たな選択肢を示し、国民への使命を果たす考えだ」と決意表明した。自民党に代わって政権を担う受け皿となるための「軸足」をどこに置くのか。今後、具体像を示していくべきだ。
 保守派の前原氏が満遍なく支持を集めたように見えるが、そう単純ではあるまい。リベラル派が支援した枝野氏が代表に就けば、保守派が反発して党の分裂につながりかねないという危機感の「逆バネ」が働いたのも要因の一つだろう。
 それだけ「寄り合い所帯」ゆえの、内紛体質が色濃く投影されている。前原氏は今度こそ、党のガバナンス(統治)を確立すべきだ。不一致を一致させるまで徹底的に議論し、決まった方針には結束して従う組織風土に改めないと、民主党と同じ轍(てつ)を踏む。
 代表選では野党共闘、憲法改正、原発ゼロ、社会保障の財源などを巡って論戦が交わされた。選挙後にしこりを残さず、挙党態勢を構築できるかどうかが鍵だろう。
 前原氏の試金石は、新代表になって初の国政選挙となる10月のトリプル衆院補選(青森4区、新潟5区、愛媛3区)。自民党が占めていた議席の一角を崩せるかどうか、早速、手腕が問われる。
 自民1強に野党がバラバラになっては勝ち目はない。前原氏は共産党を含む野党共闘の見直し論者だが、政治は数の世界でもある。何を優先すべきか、補選も含め次期衆院選に向けて議論すべきだ。
 自民党と異なる、どのような対立軸を掲げていくのかも課題である。前原氏は、基本理念として掲げたのが「オール・フォー・オール(みんながみんなのために)」。
 国民に応分の負担をしてもらう代わりに、「全ての世代の不安を解消する」として、年金の安定化や介護サービスの充実などを主張した。
 財源は消費税税率引き上げで賄う意向だが、民主党が割れる引き金になったテーマ。国民に痛みを求める増税を掲げて総選挙に臨むのか、難しいかじ取りを迫られよう。
 アベノミクスに代わる経済政策も重要である。地方に恩恵をほとんどもたらさず、格差の拡大は深刻だ。少子高齢化が急速に進む地方の切実な声に耳を傾けてほしい。
 地域の課題を掘り下げていけば、おのずと日本の「病巣」と共に、対抗軸が見えてくるのではないか。一足飛びの党改革は無理。「風頼み」から脱却するためにも、地方の基盤づくりを急ぐべきだ。

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