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【読売新聞】 前原民進新代表 野党共闘の見直しが試金石だ

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 党は崖っぷちにある。再建の「ラストチャンス」との見方が多い中、新執行部の覚悟と手腕が厳しく問われよう。
 民進党代表選で、前原誠司元外相が枝野幸男元官房長官を破り、新代表に選出された。「自民党しか選ぶものがない政治状況を変えるため、選択肢を示して、国民への使命を果たす」と決意を語った。
 前原氏は、政策面で現実的な路線を示し、保守・中道系を中心に支持を広げるのに成功した。
 リベラル系が推す枝野氏は、共産党との協力を重視し、米軍普天間飛行場の辺野古移設に否定的な考えを示すなど、“左傾化”が目立った。代表に就任すれば、保守系の大量離党を招きかねないとの危機感も党内に働いたようだ。
 前原氏には、憲法改正や経済政策の対案策定などで、指導力を発揮することが求められる。
 注目されるのは、共産党との共闘をどう見直すかだ。
 前原氏は就任記者会見で、「他党との協力関係、約束は尊重しないといけないが、是非の見直しを含めて検討する」と述べた。
 民進、共産、社民、生活(当時)の4野党は昨年5月、衆院選での協力で合意した。共通政策の協議も行った。共産党は政権構想の策定や候補の相互推薦も求める。
 民進党内では、憲法、外交・安全保障など基本政策が異なる共産党との連携には、保守系を中心に「野合」批判が根強い。一方で、共産党の組織票欲しさに協力を深める動きも広がりつつある。
 どう着地点を見いだすのか。前原氏の重大な試金石となる。
 疑問なのは、前原氏が安全保障関連法廃止に言及したことだ。
 集団的自衛権行使の限定容認や平時の米艦防護などを可能にしたことは、日米同盟を強化した。北朝鮮や中国の挑発が続く中、抑止力を向上させた意義は大きい。
 安保関連法を廃止すれば、米国との信頼の基盤が崩れよう。普天間問題で日米関係を迷走させた民主党政権の失敗を忘れたのか。
 前原氏は、野党再編の可能性について含みを残している。
 民進党を離党した細野豪志元環境相らが、小池百合子東京都知事に近い若狭勝衆院議員との新党結成を前向きに検討している。
 理念や政策で一致できるなら、自民党に対抗する勢力を結集する意味はある。単なる「数合わせ」では国民の理解は得られまい。
 まずは、民進党が建設的な野党として再生し、自民党への対抗軸を示すことが先決ではないか。

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