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【山陽新聞】 前原・民進新代表 党再生にはもう後がない

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 民進党の新たな代表に、前原誠司元外相が選ばれた。低迷する党の再生へ今回が最後のチャンスとの覚悟で、野党第1党として民意の受け皿となりうるよう責任を果たしてもらいたい。
 代表選は前原氏と枝野幸男元官房長官による一騎打ちとなった。ともに民主党政権時代に要職を歴任した実力者であり、前原氏は保守派の代表格で、枝野氏はリベラル派が推した。前原氏は党内に根強くある野党再編への期待を取り込みつつ、共産党との選挙協力に一線を画す路線でも支持を広げ、国会議員や公認内定者、地方票などいずれの投票でも過半数を制した。
 前原氏が当選後に「今、政権交代を言っても国民は『何を言うのか』となるだろう」と述べた通り、党勢の低迷は深刻だ。信頼回復に向け、前原氏にはまず、枝野氏を支持した勢力も含めた挙党態勢をつくることが求められよう。
 民進党では、主流派の政策や理念に賛同できない議員の離党も相次いでいる。旧民主党時代からガバナンス(統治)の欠如が指摘され続けており、前原氏がそうした党の体質を変えていくことも重要になろう。
 民進党はこれまで、憲法改正などの重要なテーマを巡って党内の意見を集約できず、党としての立ち位置を明確にしきれなかった。前原氏は今回、支え合う社会の実現を訴え、就学前教育や高等教育の無償化などに取り組む姿勢を打ち出した。
 その財源として、2019年10月に予定通り消費税率を10%に引き上げるとしている。その是非や実現の道筋、改憲や原発利用を含めたエネルギー政策などについて、しっかりと議論を重ねて党としての旗印を掲げ、安倍政権に対抗する選択肢を示してもらいたい。
 代表選では次期衆院選や来月行われる衆院3選挙区の補欠選をにらんでの野党共闘も争点となった。前原氏は衆院選が政権選択選挙である点を重視し、「政策と理念が一致しなければならない」と主張し、共産党との選挙協力を見直す考えを示した。小池百合子東京都知事の側近である若狭勝衆院議員が年内結成を目指す国政政党などとの連携については否定せず、前向きな姿勢をにじませている。
 地域ごとに選挙事情が異なることもあり、いずれの場合も党内は亀裂含みとなりかねない。党の要となる幹事長人事を含め、求心力をどう保っていけるかが問われよう。
 09年の政権交代は、無党派層による風が吹いたが、当面風は期待できそうにない。前原氏に求められるのは、風頼みでない地道な党組織の強化だろう。
 最大の支持組織である連合に頼った選挙対策のあり方も長年指摘されてきた。自民党に比べて劣っている地方議員の底上げをはじめ、足元の組織強化にも取り組むことが求められる。

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