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【信濃毎日新聞】 前原新代表 新たな選択肢示さねば

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 民進党の新代表に前原誠司元外相が選ばれた。2005年に民主党代表を務めて以来のトップ就任だ。
 自身も述べている通り「難しい船出」である。政治に緊張感をもたらすには野党の存在感が欠かせない。挙党態勢をつくり、政権批判の受け皿を整えられるか。かじ取り役としての手腕が問われる。
 都議選惨敗を受けた蓮舫氏の辞任表明に伴う代表選だった。国会議員、国政選挙の公認内定者、地方議員など、いずれの票も枝野幸男元官房長官を上回っている。
 民進は、共産党との選挙協力などを巡り離党者が相次いだ。見直す考えを示した前原氏に支持が集まったのは党内の危機感もあったのだろう。選挙協力は、参院選で一定の成果を上げた。巨大与党に対抗する戦略を示すべきだ。
 選出後、前原氏は「新たな体制を決め、みんなでこの党を政権交代の高みに持っていくことに力を注ぎたい」と述べた。まずは結束を固めなくてはならない。
 重要な政策を巡って党内に考え方の隔たりがあることは、代表選でも鮮明になった。
 消費税率引き上げについて前原氏は予定通り実施を主張、枝野氏は「上げられる状況ではない」とした。「30年代原発ゼロ」は枝野氏が前倒しに言及する一方、前原氏は「現実的に努力したい」と現状維持にとどめている。
 党としての方向性、政策を分かりやすく示さなければ、国民の新たな選択肢にはなれない。党内論議を深めるときだ。
 成長重視のアベノミクスへの対立軸として再分配を強化する考え方は両氏に共通していた。前原氏は代表選で「全ての国民の生活を底上げし、中福祉・中負担の国を目指す」とした。財源を含め、具体策が求められる。
 改憲についても新代表としての考え方を詳しく聞きたい。憲法改正は前原氏の長年の持論だ。昨年の代表選では、9条への自衛隊明記を主張していた。今回は安全保障関連法を前提とした明記には反対―と、一貫性を欠く。
 改憲論議には「年単位の期間が必要」としつつ「議論は堂々とすべきだ」としている。改憲路線に取り込まれることはないか、曖昧にできない点である。
 今月下旬にも臨時国会が召集される。加計学園の獣医学部新設やPKO日報隠蔽(いんぺい)など、政権を巡る多くの疑惑が未解明だ。引き続き厳しく追及する必要がある。野党第1党の責任は重い。態勢づくりを急がなくてはならない。 (9月2日)

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