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【福島民報】 【民進代表に前原氏】難局への覚悟が必要

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 民進党の新代表に前原誠司氏が選出された。野党第一党として自民党との明確な政策の違いを示せるのか。失った有権者の信頼を取り戻せるのか。分裂の危機をはらむ党内を結束できるのか。前原氏が背負う課題は大きい。
 枝野幸男氏と一騎打ちとなった代表選は大差をつけての勝利となった。選出後のあいさつで「非常に難しい船出だが、決意と覚悟をもって難しい局面を国民のため、切り開くことを心から誓う」と強調した。その言葉以上に、政治生命を懸けて取り組むほどの相当な覚悟が必要になる。
 代表選では、次期衆院選に向けた野党共闘、消費税増税を巡り、2人の意見が大きく異なった。共産党との連携について、保守系の前原氏は見直しの意向を示し、リベラル系の枝野氏は継続する考えを強調した。消費税については、前原氏が増税による恒久財源の確保を、枝野氏は増税に慎重な考えを示した。政見の表明はあったが、8月21日の代表選告示以来、野党第一党でありながら、多くの有権者の注目を集めたとはいえない。低い政党支持率がそのまま関心の低さにつながり、冷めた見方をする有権者が多かったのではないのか。
 前原氏の新代表就任で野党共闘は今後見直される可能性が高い。前原氏は以前から「民進党の名前にはこだわらない」との発言を繰り返していただけに、近いうち政界再編が進む可能性もある。新代表として当面求められるのは、民進党としての足元を着実に固めることだろう。自民党に対抗するための単なる数合わせは有権者を愚弄[ぐろう]するだけだ。「55年体制」が崩壊した後に繰り返されてきた政党の離合集散を見れば明らかだ。
 本県は東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から6年半となる現在も復興が最大の課題となっている。しかし、全県民が現政権の復興政策に納得し、満足しているわけではない。自民党の「安倍一強」が揺らいでいる今、民進党は党勢回復への絶好の機会を迎えているはずだ。震災からの復興をはじめ経済・社会保障、エネルギー、安全保障、憲法改正など全ての政策において、自民党との対抗軸を明確にして、有権者の共感を得るのが肝要となる。
 前原氏は2005(平成17)年には前身である民主党の代表を務めた。今回は二度目の大役であり、失敗は許されない。党勢回復を果たせなければ解党が現実味を増すだろう。民主党時代から何度も使われてきた「瀬戸際」や「崖っぷち」という言葉はもはや通用しない。(川原田秀樹)

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