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【中国新聞】 民進新代表に前原氏 後がない、覚悟問われる

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 民進党の新代表に前原誠司元外相が決まった。
 政党支持率は低迷し、有力議員の離党も相次ぐ。野党第1党の代表選でありながら盛り上がりに欠けた。党の置かれた厳しい現状を映すかのように、国民の関心も低かった。
 新代表に課せられる使命は重い。前身の民主党が政権から転落して4年8カ月。落ち込みから脱しきれない党勢を回復させる足掛かりを築かなければならない。国民に信頼感を与える政党に変貌しなければ、存在意義さえ問われかねない。
 立て直しに向けた挙党態勢づくりが急務だ。総選挙は任期切れとなる来年12月までに必ず実施される。自公政権に代わり得る受け皿をどうつくるのか、ぼやぼやしてはいられない。
 野党間の選挙協力をどうするのか、「野党共闘」について方向性を早く定める必要がある。
 前原氏は「理念や政策の違う政党とは組めない」として共産党との連携に消極的だ。支援組織の連合にも配慮し、次期衆院選での「野党共闘」の見直しにも言及している。一方、代表選で争った枝野幸男元官房長官は共闘に前向きな姿勢を示すなど党内にも異論が少なくない。
 小選挙区を中心とする衆院選で、野党がばらばらに候補者を立ててしまうと、自公連立与党の候補に太刀打ちできない。民進や共産など野党4党共闘は昨年7月の参院選1人区で候補者の絞り込みに成功し、一定の成果を収めた。今年7月の仙台市長選でも「野党共闘」候補が自公推薦候補を破った。
 8月27日の茨城県知事選では、自公推薦候補が当選したが、野党系の2候補の得票は自公候補を上回っていた。もし候補を一本化していれば、勝利できた可能性もあった。
 10月22日には衆院青森4区、新潟5区、愛媛3区の「トリプル補欠選挙」が待ち構える。つまずけば、ダメージは大きく次期衆院選にも影響しかねない。
 党内の路線対立を取りまとめ、どうトリプル選を乗り切っていくのか。小池百合子都知事の側近が目指す国政新党との連携を含めて、前原氏の統治力が試されることになる。
 前原氏は、みんながみんなを支え合う「オール・フォー・オール」社会の実現を訴える。安倍政権の進めるアベノミクスによって、弱者に厳しい「自己責任型社会」が進んだと批判する。再分配政策を充実させ、「中福祉中負担」で安心を得られる社会を目指すという。
 財源を何に求めるかが問題となる。前原氏は消費税増税に前向きだが、具体的な政策とともに、どう実現していくかの制度設計も示すべきだ。
 前原氏も主張するように、肝心なのは党として譲れない政策理念をきっちりと固めることだろう。党内対立の火種となってきた憲法改正や安全保障政策、原発政策などについても徹底的に議論し、国民が判断できる結論を示してもらう必要がある。あいまいなままでは、自民党の対抗軸にはなり得ないだろう。
 難しい選択を迫られるが、その上で、党のあしき体質であるバラバラ感を解消することが欠かせない。挙党態勢が築けなければ、分裂の恐れさえある。まさにラストチャンス。崖っぷちに立っている危機感が新代表に求められている。

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