Home > 社説 > 地方紙 > 九州・沖縄地方 > 熊本日日新聞(熊本県) > 【熊本日日新聞】 前原民進党 挙党態勢の構築が課題だ
e275-kumamoto

【熊本日日新聞】 前原民進党 挙党態勢の構築が課題だ

そう思わないそう思う (まだ投票していません)
Loading...

 民進党の新代表に前原誠司元外相(55)が選ばれ、「決意と覚悟をもって難しい局面を切り開く」と党再生への抱負を語った。
 前途は多難だろう。加計学園問題などで安倍晋三政権に対する国民の不信が高まっているにもかかわらず、その受け皿であるはずの野党第1党の支持は低迷し、逆に議員の離党も相次ぐ。党首が交代しただけで信頼を取り戻せるような状況ではあるまい。
 まずは安倍政権との対抗軸を明確に打ち出すべきだ。バラバラ感を払拭[ふっしょく]するためには党内の理念や政策をすりあわせ、この国をどう導きたいのか、国民に分かりやすく示す必要がある。
 代表選は7月の東京都議選惨敗を受けて辞任表明した蓮舫氏の後任を選ぶために実施された。前原氏と枝野幸男元官房長官(53)の一騎打ちとなったが、党勢を象徴するかのように論戦は盛り上がりを欠いた。
 民進党低迷の理由の一つに挙げられるのは、党内のまとまりの悪さだ。前民主党政権の失敗の一因でもあった。しかしその過去に学ぶことなく、今なお保守、リベラル系が足の引っ張り合いを繰り返し、政権戦略が見えない-。国民の目にはそう映っている。
 前原氏は自民1強の「危うい政治状況を変える」と強調、「新しい選択肢を示し国民への使命を果たす」とした。政権を担える政党への脱皮には、離党者の続出を阻止し、挙党態勢を築いていくことが最初のハードルとなろう。
 今回の代表選でも主要な政策で意見のずれが浮き彫りとなった。憲法改正に向け安倍政権が動きを加速させる中、「来年の発議は拙速」(前原氏)「今の草案なら徹底的に戦う」(枝野氏)と立ち位置が定まっていない。原発への対応も、電力関連労組を抱える連合への配慮もあってあいまいだ。解散総選挙が取り沙汰されるが、ほかの野党、とりわけ共産党との選挙協力でも隔たりが残る。
 自己責任型社会を求める「アベノミクス」に対し、前原氏は「みんながみんなのために」と支え合う社会の実現を目指す。しかし財源となる消費税率10%への引き上げについても党内の意見は集約されていない。
 議論を突き詰めれば党内対立が深刻化するとの配慮もあるのだろう。だが融和ばかりを優先しては、再び同じ失敗を繰り返す。議論は活発に行うが、党として決めたら一致結束して事に当たるのが政党だ。“寄り合い所帯”の印象を返上し、自公連立に対峙できる政権構想を提示してほしい。
 当面の課題は25日にも召集される臨時国会での論戦だ。政府与党をしっかりチェックし、野党第1党の存在感を示す必要がある。10月に行われる三つの衆院補欠選挙は次期衆院選の行方を占う上でも重要だ。新代表、新執行部の真価が問われる。
 広がる格差、疲弊する地方などにも議員一人一人が向き合い、国民の声に耳を澄ます-。基本に立ち返ることが党再生への近道だ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。