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【京都新聞】 概算要求  歳出圧力が増すばかり

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 2018年度政府予算に向けた各省庁の概算要求総額は約101兆円で、4年連続100兆円を突破した。
 高齢化に加えて子育て支援を充実させたい社会保障費や、北朝鮮情勢への対応が迫られる防衛費、安倍晋三首相が新たに打ち出した「人づくり革命」の推進など、歳出圧力は高まる一方である。
 しかし、財源には限りがある。国の将来を見据えて、財政規律を守る努力も必要だ。年末の予算案編成では、不要不急の施策に切り込むとともに、歳出圧力を抑制する知恵と工夫が求められる。
 要求総額は前年度とほぼ同規模だが、国債の利払いを低く見込んでおり、政策経費は77兆円に拡大した。過去最大となった本年度当初予算より3兆円以上多い。
 社会保障、「働き方改革」を担う厚生労働省の要求は、前年度比2・4%増で実質過去最大の31兆4千億円余りに膨れ上がった。
 防衛省も、過去最大の5兆2千億円。ミサイル発射を繰り返す北朝鮮の動向をにらみ、新装備の配置を目指す。
 「人づくり革命」は、幼児教育、保育の無償化、大学授業料の負担軽減が柱となる。
 いずれも重要な施策だが、上限のない「青天井」の要求になってはいないか、厳しく点検してもらいたい。
 高齢化に伴う社会保障費の自然増は6300億円に達する見通しで、政府が目標とする5千億円程度に抑えたいところだ。
 来年度は、診療、介護報酬の同時改定が6年ぶりに予定されており、その引き下げを軸に対応する方針だが、関係者との調整は難航しそうだ。
 概算要求で金額を示さない「事項要求」にも注意を払いたい。
 防衛省が導入を決めた地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」は、米国と協議を進めてから設計費を計上する。
 幼児の教育無償化も事項要求で、大学などの授業料無償化も加えれば、4兆円を超える追加財源が要るとされる。「こども保険」を創設する案が浮上しているが、国債に頼る声も与党内にある。
 これらが、金額とともに浮上してきた際にどうするか、今から考えておいた方がよいだろう。
 16年度の税収が、7年ぶりに減少したことを踏まえる必要がある。これから財政健全化目標を見直し、消費税率の10%への引き上げを判断しなければならないことも、視野に入れておくべきだ。

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