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【西日本新聞】 前原新代表 今度こそ「ノーサイド」で

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 民進党の新代表にきのう、前原誠司元外相が選出された。
 低迷する野党第1党が今度こそ実現しなければならないのは「ノーサイドの精神」による挙党体制の確立である。前原新代表には何よりその手腕が求められよう。
 ノーサイドとはラグビーの試合終了のことだ。肉体をぶつけ合って激しく戦っても試合が終われば敵味方の区別はなくなり、互いに健闘をたたえ合うことをいう。
 民進党は旧民主党以来、代表選のたびにノーサイドの精神が叫ばれた。多様なグループを抱え、激しい代表選のしこりが内紛や足の引っ張り合い、分裂につながり、国民の信頼を失ったからだ。
 党内保守派を代表する前原氏とリベラル派が推す枝野幸男元官房長官が争った今回の代表選は、憲法観などを巡る党内二大潮流による「究極の対決」ともいえた。
 各地の討論会などを通して主張の違いは鮮明になった。消費税率アップの時期、原発ゼロへの道筋、共産党を含めた野党共闘の在り方など、挙げればきりがない。
 とはいえ、目指すべき社会像は前原氏が「All
 for
 All(みんながみんなのために)」、枝野氏も「お互いさまに支え合う」と共通した。安倍晋三首相の政治を「自己責任と競争をあおる社会をつくりだした」と厳しく批判する点でも一致している。
 おぼろげながら与党との対立軸は見えてきたのではないか。崖っぷちに追い込まれた民進党に内輪もめをする余裕はないはずだ。
 政策論では党内で徹底的に論議を尽くす。合意できたら一致結束して実現を目指す‐そんな当たり前の政党に脱皮することが信頼回復への第一歩となるだろう。
 議会制民主主義の発展には、健全な野党の存在が不可欠だ。特に野党第1党の長期低迷は政治の躍動感や緊張感を奪いかねない。
 前原氏は2005年に旧民主党の代表に選出されて以来の再登板になる。偽メール問題での代表辞任や旧民主党の政権転落といった苦難も含めて、その豊かな政治経験を党再建に生かしてほしい。

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