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【産経新聞】 概算要求 歳出改革の手を緩めるな

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 平成30年度予算に対する各省庁の概算要求が総額101兆円前後に達した。4年連続の100兆円超えで、財務省は査定により3兆円程度を絞り込む考えだという。
 政策の費用対効果を吟味し、限られた財源を有効活用しなければならない。安倍晋三政権には、野放図な歳出の膨張ではなく、成果を確実に上げる政権運営を求めたい。
 とくに、社会保障などの歳出を見直す作業は重要だ。痛みを伴うとしても、将来に資するものならためらうべきではない。
 景気が回復傾向を強めている今は、大胆な改革を講じやすい環境にある。政権浮揚を狙い、ばらまきに走ることは許されまい。
 要求総額は29年度当初予算より3兆円前後多い。予算を獲得できればそれでよし、とする省益本位の発想で、各省庁が目いっぱい要求を積み上げた面はないか。
 注視したいのは、政権の重点施策に優先配分する特別枠の事業である。各省庁の要求は上限の4兆円近くに上った。
 政権の方針に沿って、政策の選択と集中を図ること自体は妥当である。ただ、例年この種の特別枠には、効果が疑わしく、通常なら認められないような事業が紛れ込む弊害が指摘される。
 今回は、政権が看板政策として掲げる「人づくり革命」や「働き方改革」に関連する施策を各省庁が並べてきた。重複や不要不急の事業を排すのは当然である。厳しく精査しなければならない。
 概算要求には、金額を明示せずに項目だけを示す「事項要求」も含まれる。政権が目玉とする幼児教育の無償化などである。
 具体的な方法や財源などは、年末に向けて検討することになっているためだ。そうしたやり方では、予算編成の最終局面でなし崩し的に導入されがちだ。効果を見極め、優先度を十分詰めておく必要がある。
 30年度予算は、経済・財政再生計画で定めた3年間の集中改革期間の最終年となる。28年度税収が7年ぶりの前年度割れになるなど、税収増に過度の期待は抱けない。この予算を今後の財政健全化にどうつなげるかである。
 徹底した歳出改革は、31年10月に予定される消費税率10%の引き上げの前提にもなる。政権の改革努力が厳しく問われていることを併せて指摘しておきたい。

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