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【読売新聞】 日英首脳会談 EU離脱の影響最小化目指せ

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 日英両国の良好な経済関係を深めるには、英国が欧州連合(EU)離脱の悪影響を最小限に抑える努力が欠かせない。
 メイ英首相が東京で安倍首相と会談し、新たな日英経済関係の構築で一致した。
 ほかの国には寄らず日本だけを訪問した。2019年3月に期限が迫るEU離脱後も国際社会と協調する上で、日本を有力パートナーと見定めているためだろう。
 英国には日本企業約1000社が進出している。ヒト・モノ・カネの移動が自由なEU全体のビジネス拠点とする企業も多い。
 EU離脱後は、英EU間の貿易に関税がかかり、英国での事業免許がEUで通用しなくなるなどの不利益が生じる恐れがある。
 離脱に伴う混乱をいかに避けるか。制度の移行期間を設ける案などが浮上しているが、会談では、メイ氏から日本側の不安解消につながる説明はなかった。
 安倍首相が「企業活動への影響を最小化するよう、透明性、予見可能性の確保に配慮すべきだ」と要請したのは、もっともだ。
 英政府は、EUとの交渉加速と並行し、日本の官民と緊密に情報共有を図ることが求められる。
 英国は離脱後、日本との自由貿易協定(FTA)締結を視野に入れる。日本はEUと経済連携協定(EPA)の大枠合意に達した。これを着実に進めることが、日英FTAの下地にもなろう。
 会談では、北朝鮮の核ミサイル開発問題に関して、日英が中国への働きかけを強めることで一致した。メイ氏は、国家安全保障会議(NSC)特別会合に出席し、朝鮮半島情勢の認識も共有した。
 国連安全保障理事会の常任理事国である英国と、北朝鮮への圧力強化を確認した意義は大きい。
 安保協力に関する共同宣言は、東・南シナ海での中国の海洋進出を念頭に、「力により現状を変更しようとする一方的行動に強く反対する」と明記した。
 英国がアジアに空母を派遣する方針も盛り込み、日本は、英国の関与を「歓迎」した。
 南シナ海で米軍が展開する「航行の自由」作戦などに英国の空母が参加すれば、中国への牽制(けんせい)効果を持とう。自衛隊と英国軍の共同演習もさらに拡大すべきだ。
 重要なのは、一連の懸案を地域の問題にとどめず、欧州諸国なども巻き込み、国際社会全体の課題と位置づけることだ。「中国寄り」と評されたキャメロン前政権の政策を転換しつつある英国との連携をアジアの安定に生かしたい。

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