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【秋田魁新報】 上小阿仁集住施設 運営工夫し活性化図れ

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 上小阿仁村は「集住型宿泊交流施設」の建設を進めている。一つの建物に若者向け集合住宅、宿泊施設、交流拠点という三つの機能を持たせる施設だ。単身の若者の村内定着に役立てるほか、宿泊施設では1人暮らしの高齢者を冬期間受け入れる計画。森林資源を生かした林業研修などにも活用したい考えだ。
 村の高齢化率は52%(昨年7月現在)と県内市町村で最も高く人口減も進む中、村外からの宿泊客受け入れやイベント開催などでにぎわいづくりを図るほか、若者や高齢者が暮らしやすい環境を整えて世代間交流も目指す。自治体がこうした複合施設を整備するのは県内では初めてという。オープンは来春の予定だ。
 建設場所は村中心部の旧小沢田小学校跡地で、周囲に村役場や村立診療所、村生涯学習センターなどがある。建物は木造2階建てで、延べ床面積は約1240平方メートル。1階に宿泊用の6部屋(定員各2人)、2階に若者ら単身者向けの居住用6部屋を整備。1室9人程度まで宿泊可能な談話室2室や会議室、食事のできるホール、調理室なども備える。建設費は4億1千万円。
 村によると、村内には1人暮らしの若者らに適したアパートがない。これまで家族向けの村営住宅に入居することもあったといい、ニーズは十分あるとみている。宿泊用の部屋は林業研修や各種体験イベントを積極的に開催するほか、スポーツ合宿などの誘致に努め、談話室も含めて稼働率を上げたいという。
 この施設で最も特徴的なのは、冬場の除雪や買い物などに不安を抱える1人暮らしの高齢者らを、宿泊用の部屋を利用し期間限定で受け入れる点だ。県によると、現在県内で高齢者の冬季居住を事業化しているのは湯沢市の社会福祉法人が運営する1施設だけ。村は利用者の安心感を高めるため、集落単位や近隣住民同士での利用を呼び掛けていく。
 村は高齢者の生活支援に力を入れる方針で、除排雪などの有償ボランティアを組織化する。新施設では買い物支援などを含め居住する若者と高齢者の交流を図ったり、健康づくりイベントなどを開いて生きがいづくりに取り組んだりするという。
 ただ、冬場だけとはいえ、住み慣れた家を離れるとなると決断するのは大変だろう。施設での暮らしがどのようなものなのか、留守にしている間の雪下ろしはどうなるのかなど、村は利用者の不安解消に努める必要がある。
 施設の機能が多岐にわたるため、運営には試行錯誤が予想される。居住、宿泊、交流というそれぞれの目的が中途半端にならないようにすることが重要だ。一つの施設にまとめたことの相乗効果も求められる。運営に当たっては村民のニーズを十分把握するとともに、村内外の多くの人を巻き込みながら地域の活力づくりにつなげてほしい。

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