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【西日本新聞】 「加計」保留 疑惑解明が認可の大前提

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 さまざまな疑惑が解明されない中、設置認可の判断が保留となったのは当然である。
 安倍晋三首相の親友が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)が、国家戦略特区制度を活用して愛媛県今治市で来年4月開設を計画する獣医学部について、文部科学省の大学設置・学校法人審議会は8月下旬に予定していた認可の判断を保留し、審査を継続することを決めた。学園に改善策を求め、10月以降に判断する。
 審議会は非公開で、保留の理由も明らかにしていない。少なくとも最終判断の際には審査の経緯を詳細に公表すべきだ。
 関係者によると、高齢の専任教員が多く、教員数に比べ定員が多いことが審議会で問題になった。学園は定員を当初の160人から20人減らす案を提出し直した。
 さらに獣医学部新設の条件の一つである「ライフサイエンス分野の研究」に関する教育環境が十分ではないことから、審議会は判断を保留したとみられる。
 文科省によると、過去10年間で申請の15%に当たる110件が保留になった。保留は決して異例ではない。最終的な不認可は2件で、19件は申請が取り下げられた。89件は結局、認可されている。
 ただし今回の加計学園の計画には多くの疑惑が指摘されている。
 文科省には特区担当の内閣府から「総理のご意向」などとして計画への対応を求められたとする文書が見つかった。特区認定を巡る政府のヒアリングに出席した学園関係者の発言はなぜか公表されていない。地元の市民団体などからは建設費の水増し疑惑や研究機能が不十分などの指摘も出ている。
 これだけの疑惑があっても、いったん開学すれば多額の助成金が国から配分される。愛媛県と今治市は最大96億円の補助金を支出する。疑惑解明は国会の役割であるが、それを大前提に審議会には厳正な審査を求めたい。
 今の状況で認可を答申すれば厳しく批判される-。もし、そんな了見でほとぼりを冷まそうとしているのなら言語道断である。

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