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【沖縄タイムス】 [北朝鮮が核実験]関係5カ国の結束図れ

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 北朝鮮の弾道ミサイル発射と核実験のテンポの早さは尋常ではない。
 北朝鮮国営の朝鮮中央テレビは3日、大陸間弾道ミサイル(ICBM)搭載用の水爆実験に完全に成功した、と伝えた。核実験は昨年9月に次いで6回目。過去最大規模だとみられている。
 北朝鮮は7月4日にICBM「火星14」の初の発射実験を実施し、28日に2回目を強行した。今回の核実験には「米本土を核攻撃できる能力を保有した」という米国向けのメッセージが込められている、とみるべきだろう。
 国連安全保障理事会の決議に反するだけでなく、国際世論にも背を向けた危険な挑発行為であり、到底、許せるものではない。
 ミサイルの射程距離が伸びているだけでなく、核実験のたびに爆発規模が大きくなっている。すでに核弾頭の小型化に成功しているとの分析もあり、急速に技術を進化させているのは明らかだ。
 日米は圧力強化で一致しているが、石油の全面禁輸など市民生活に深刻な影響を与える制裁強化に対しては中国、ロシアが消極的である。
 日米韓中ロの足並みはそろっていない。
 北朝鮮は、そうした状況を見越した上で挑発行為を重ねているのだろうが、この状況がエスカレートするのは危険だ。
 果たして米国と北朝鮮は、お互いの「真意」をどれだけ正確につかんでいるのだろうか。喉の奥に突き刺さったトゲを引き抜く外交が今、切実に求められている。
 
 国際的な孤立化と制裁強化を招くことが明らかであるにもかかわらず、北朝鮮はなぜ、挑発行為を止めようとしないのか。
 北朝鮮は、米国による敵視政策の撤回、平和協定の締結、米韓合同演習の中止、体制維持の保証、などを求めているといわれる。米側は、核兵器を放棄し核・ミサイル開発を止めることが対話の前提、だと主張してきた。
 周辺国の脅威を解消するためにも、また、核拡散防止条約(NPT)体制を有効に維持するためにも、朝鮮半島非核化の旗を降ろすべきではない。
 ただ、その目的を実現するための手順と手法については、新たなアプローチを検討してもいいのではないか。
 まずは日米韓中ロが非核化に向け足並みをそろえることが重要だ。それと並行して米朝が対話に向けた条件整備を進めてもらいたい。
 
 戦争を欲しないなら、この問題は、何らかの形で対話によって解決するしかない。
 対話のための対話はしない、と安倍政権は主張するが、その言葉は「戦争もやむなし」と言っているわけではないはずだ。対話に至る過程で圧力の強化や制裁の強化があるのは理解できるが、問題はその次の見通しである。
 圧力を強化することによって北朝鮮が音を上げ、自主的に核兵器を放棄し核・ミサイル開発を中止すると考えるのは、楽観的に過ぎる。圧力一辺倒は北朝鮮の暴発のリスクを高めるおそれがある。

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