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【山陽新聞】 北朝鮮の核実験 無謀な挑発に制裁強化を

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 どうして国際社会への挑発を繰り返すのか。どこまで神経戦を推し進めれば気が済むのか。
 北朝鮮がきのう、6回目となる核実験を実施した。7月には2回の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験、8月には日本列島を飛び越えて太平洋に落下させる中距離弾道ミサイルの発射を行ったばかりである。
 国営メディアは「重大報道」を通じ、ICBM搭載用の水爆実験に「完全に成功」したと発表した。北朝鮮は2005年に核保有を宣言し、翌年10月に最初の核実験を実施した。今回の爆発規模は過去最大で、昨年9月の前回より5~6倍との分析もある。
 国際社会の警告を無視する核実験もミサイル発射も、断じて許されないのは言うまでもない。いたずらに緊張を高めれば、不測の事態を招く恐れもある。米トランプ政権は核ミサイルの保有を阻止するため「あらゆる選択肢を排除しない」としており、わが国の安全保障にとっても看過できない状況である。
 友好国である中国も「断固たる反対と強烈な非難を表明する」との声明を出した。核保有は朝鮮半島の軍事バランスを崩すだけでなく、仮に軍事衝突などで北朝鮮が不安定化すれば大量の難民が中国に殺到するリスクもある。
 中国はいま、5年に1度の共産党大会を目前とする極めて重大な時期なだけに、再三の制止も聞き入れない金正恩朝鮮労働党委員長にメンツをつぶされ、相当いらだっているはずだ。
 ここまで北朝鮮が強硬なのは、全面戦争に発展するリスクに米側が二の足を踏み、米朝の直接交渉に歩み寄るしか手がないはずと見ているのだろう。また、内政面で実績がない金委員長が国内での権威向上につなげる思惑もあるとみられる。
 無謀な挑発にはあくまで周囲の冷静な対応が望まれる。一方、北朝鮮が確実に核・ミサイル技術を進展させているのも事実である。金委員長が権力掌握しての約6年で核実験3回、ミサイル発射実験は80回以上に及ぶ。既にICBMに搭載できる小型核弾頭を開発したともされる。
 これ以上、増長させないためには、大規模禁輸の徹底的な国際包囲網で、北朝鮮経済を締め付けるしかない。8月には国連安全保障理事会が、主要産品である石炭などの輸出の全面禁止を全会一致で採択して制裁強化したばかりだが、さらに石油禁輸などに踏み込む必要があろう。
 北朝鮮の生命線である石油は中国やロシアから輸出されている。中国との間では闇ルートの密輸も横行しているとされる。
 国の体制を揺るがしかねない石油禁輸には中ロは慎重な立場だが、経済制裁の実効性を上げるためには、両国が圧力強化できちんと責任を果たすしかない。日米もしっかりと促す必要がある。

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