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【福島民報】 【北朝鮮核実験】制裁を実効あるものに

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 日本上空を通過する弾道ミサイル発射のわずか5日後、北朝鮮が今度は6回目の核実験を行った。大陸間弾道ミサイル(ICBM)に搭載できる水爆という。日本と関係諸国を大きな不安に陥れる許し難い暴挙だ。エスカレートする一方の軍事的挑発に、国際社会とともに強く抗議しなければならない。政府には脅威を低減するため、制裁を実効あるものにする一層真剣な取り組みが求められる。
 北朝鮮による核実験は2006年10月からこれまで5回あったとされる。2016年1月の4回目を水爆実験成功と主張していたが、専門家はその規模から一般的な水爆とは考えにくいとしていた。昨年9月9日の建国記念日に実施した5回目の実験による地震はマグニチュード(M)5・3で、爆発規模は10~30キロトンだった。防衛省は震度からの試算で今回の規模を約70キロトンと分析しており、これまでで最大となる。
 北朝鮮は7月の2回のミサイル発射でICBMの実験に成功したと主張している。これに搭載可能な水爆の開発に成功したとすれば、北朝鮮による瀬戸際外交は世界にとって新たな段階に入ったと言わざるを得ない。
 北朝鮮は核とミサイルの開発を、米国と直接交渉するための手段と考えている。しかし、日本、米国、韓国に深刻な脅威を与える過激な軍事的挑発によって、対話へのハードルはかえって高くなっただろう。
 われわれは相手が過激化するのに反比例して冷静になるべきではないか。国際社会はこれまで経済分野を柱とする北朝鮮制裁を進めてきたが、抜け道も多いとされる。国連などを通じ、貿易関係のある中国をはじめ各国の協力を得て制裁を一つ一つ実効あるものにしていく必要がある。過去に大きな効果のあった国際金融面での引き締めも検討されるべきだろう。
 専門家によれば金正恩朝鮮労働党委員長は、数々のテロを指示したとされる父親の金正日主席よりも理性的な計算ができる人物ともされる。地道な制裁によって国民や政権の動揺につなげ、核やミサイルによる挑発には利がないと、国際社会全体の力で認識させるべきだ。
 北朝鮮は今後もミサイル実験などを繰り返す可能性がある。まともに向き合いたくはないが、日本としてはミサイル防衛体制を整えるとともに、緊急事態に備えた国民の意識向上を図る必要がある。秩序を保ちながら冷静に対応できる成熟した社会の力を見せたい。(佐久間順)

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