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【熊本日日新聞】 北朝鮮核実験 暴走阻止へ各国は団結を

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 北朝鮮は3日、6回目の核実験を強行した。同国国営メディアは、大陸間弾道ミサイル(ICBM)搭載用の水爆実験に「完全成功」したと発表。核兵器の開発が進展したと誇示し、米国に「敵視政策」の転換を迫る狙いがあるとみられる。
 北朝鮮の挑発行動はエスカレートする一方だ。核実験は昨年9月9日以来で、今年1月のトランプ米政権発足後は初めて。
 7月4日にはICBM「火星14」の初の発射実験を実施し、28日に2回目を強行。射程は米シカゴやロサンゼルスに届く1万キロ超の恐れがあるとみられている。8月29日には米軍の要衝グアムを射程に収める中距離弾道ミサイル「火星12」を発射。北海道上空を通過し、太平洋の公海上に落下させた。
 北朝鮮はこれまでのICBM発射実験で、弾頭を大気圏に突入させる技術も検証したと主張。事実ならばICBMの実戦配備に一段と近づいたことになり、米側の危機感はさらに強まりそうだ。
 トランプ政権は、米本土を攻撃できる核ミサイルの保有を阻止するため、軍事力行使も排除しない立場を表明している。しかし、全面戦争に発展するリスクを考慮した場合、実行できるかは疑問視されている。
 金正恩[キムジョンウン]朝鮮労働党委員長は、打つ手がない米側の事情を見越した上で核実験や弾道ミサイル発射を繰り返しているとみられる。核実験「成功」によって、今後「核保有国」として米国と対等の立場を主張した上で、敵視政策の撤回や平和協定の締結、米韓合同軍事演習の中止といった従来の要求を重ねて突き付けるだろう。内政面においても、米国と渡り合う核戦力の「完成」を自らの実績として権威を高め、権力基盤の安定につなげたい思惑もありそうだ。
 国連安全保障理事会は8月5日、制裁強化決議を採択。「火星12」発射後には緊急会合を開き、北朝鮮を非難する日米主導の議長声明案を全会一致で採択した。
 6回目の核実験を受け、日米韓3カ国は国連安保理の緊急会合開催に向けた調整に入った。安保理は一連の制裁決議に違反するとして、強く非難する声明を検討する見通し。日米は、核開発の資金を遮断するには北朝鮮への石油輸出を制限することが効果的とみており、安保理で禁輸の必要性を主張する方針だ。
 北朝鮮の経済的後ろ盾となってきた中国やロシアは、対話を通じた解決を目指すべきだとの立場を取ってきた。両国とも北朝鮮に石油を輸出しており、全面禁輸は北朝鮮国内の深刻な混乱を引き起こしかねないとの警戒感が強い。
 しかし、中ロにとっては弾道ミサイル発射よりも核実験への抵抗は大きく、両国とも今回の核実験を強く非難した。部分的な禁輸など日米と中ロ双方が歩み寄れる措置を探る展開も考えられよう。北朝鮮の暴走を食い止めることができるか、国際社会の団結が問われている。

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