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【京都新聞】 北朝鮮核実験  国際的な包囲網強化を

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 北朝鮮が6回目の核実験を強行した。核開発やミサイル発射を禁じた国連安全保障理事会の決議に反し、周辺地域を危険にさらす暴挙である。国際社会の総意を無視する行為を許してはならない。
 昨年9月9日の建国記念日に実施して以来1年ぶりで、金正恩朝鮮労働党委員長の体制下では4回目となる。北朝鮮の国営メディアは、大陸間弾道ミサイル(ICBM)に搭載する水爆の実験に「完全成功」したと発表した。
 北朝鮮は7月、米本土まで届くICBM「火星14」の発射実験を2回実施した。さらに、米軍の要衝グアム周辺海域に向けて弾道ミサイルを発射する計画を表明。米の反発を受けて、一時は計画を見送る姿勢をみせたものの、8月29日に突然、日本上空を通過する弾道ミサイルを発射した。そして、今回の核実験強行である。
 安保理の追加制裁や非難声明を無視し、核兵器やミサイル開発を加速させるのは、米国に対する攻撃能力を見せつけ、「敵視政策」の撤回や平和協定の締結、米韓合同軍事演習の中止など従来の要求を強く迫るつもりなのだろう。
 さらに、米国と渡り合う「核保有国」となったことを誇示し、国内での権威を高めて、権力基盤を安定させたい意図も透ける。
 北朝鮮は、昨年1月の4回目の核実験で「水爆」開発に成功し、9月に弾道ミサイルに装着できる核弾頭の爆発実験を行ったと主張している。どこまで核兵器に関する技術を獲得したか慎重に検証する必要があるが、今回の爆発規模は過去最大といい、軍事的脅威が高まっていることは確かだ。
 トランプ米大統領は、米本土を攻撃できる核ミサイル保有を阻止するため、軍事力行使を含めた「あらゆる選択肢」を排除しないとしている。ただ、全面戦争に発展するリスクを考えれば、実行は容易ではないとの見方もある。
 北朝鮮は、こうした米側の立場を見越して強硬姿勢に出ているとみられるが、あまりにも危険な行為と言わざるをえない。このままでは国際的な孤立を深める一方であることを直視すべきだ。
 日本政府は、核・ミサイル開発の資金源を断つため、石油の禁輸や北朝鮮労働者の雇用禁止など安保理で新たな制裁を目指すが、採択には、北朝鮮に影響力のある中国、ロシアの賛成が必要だ。中ロは、事態が深刻であることを認識し、北朝鮮の暴挙をこれ以上許さないために、各国と連携して包囲網の強化に踏み込むべきだ。

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