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【社会新報】 日米2プラス2 際立つ「核とミサイル」志向の強化

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 17日の日米外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)の内容は、極めて挑戦的なものとなった。日米の核兵器禁止条約不参加に対する被爆者らの批判の声を尻目に、米国による「核の傘」(拡大抑止)の提供を確認する一方、沖縄県民の反対の意思表示を無視して「辺野古が普天間問題の唯一の解決策」だとするという、恒例行事が繰り返された。
 それだけではない。日本側は「防衛計画大綱」などの改定と、陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」を米国から購入する意向を伝え、防衛省は来年度予算案で過去最大額を計上すると息巻いている。米国の軍産複合体は笑いが止まらないだろう。
 2基が必要とされるイージス・アショアは1基800億円。日本政府は、社会保障費の自然増分の伸びを3年間で1・5兆円に抑える方針に基づき、16年度に1700億円、17年度に1400億円、予算を圧縮しているが、この「成果」など簡単に吹き飛ぶ計算だ。
 しかも日本側は、懸念事項をまともに提起していない。沖縄が重視している米側が96年SACO(日米沖縄特別行動委)合意に反して嘉手納基地で旧海軍駐機場の使用とパラシュート降下訓練を続けている問題は、会議で取り上げられたというが、日本側が何を要望し、それに米側がどう応えたのか、全く定かではない。
 5日に墜落事故が起きたオスプレイ問題も同様だ。「しっかりした説明がなされるまで飛行自粛を求める」としていたのに、「米軍は安全な飛行は可能と説明していることは理解できる」として飛行再開をあっさり容認した。事故原因究明はなくてもよいというのだ。
 この間、ミサイル危機の高進に伴い、各地で「Jアラート」訓練や避難訓練が繰り広げられた。体育館の床に身を伏せる子どもたちの姿に、戦争体験世代は、焼夷弾空襲に無力であったばかりか、防空法に基づいて避難を禁じ、被害を拡大させただけの戦時中の防空訓練を思い出し、不安を募らせているのではないか。
 その北朝鮮の米領グアムへのミサイル攻撃について、小野寺防衛相は国会答弁で、日本の「存立危機事態」と認定して集団的自衛権を行使する可能性に言及した。そうなれば日本からの先制攻撃になるかもしれない。避難訓練やミサイル防衛が「防衛的事態」だけを想定しているとは言えぬことに注意しなければならない。
 日米安保は明らかに「制度疲労」に陥っている。 (社会新報2017年8月30日号・主張より)

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