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【中日新聞】 待機児童 解消は財源の確保から

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 待機児童数がまた前年より増えた。二〇一五年から増加が止まらない。政府は解消策に保育所整備を進めるが、最大の課題は安定財源の確保だ。どう手当てするのか具体策を急がねばならない。
 二万六千八十一人。今年四月一日現在の待機児童数だ。昨年より二千五百人余り増えた。人数は一五年から増加に転じている。
 認可保育所の定員は昨年より約十万人増えたが、女性の就業率の上昇に伴い「子どもを預けて働きたい」という需要に追いつかない。保育所を造れば新たに需要を呼ぶ構図は依然変わらない。
 この間、保育士などの人件費などに充てる運営費はうなぎ上りだ。運営費は国と地方自治体で負担するが、一七年度は一兆五千億円を超えた。政府が対策を強化し始めた一三年度に比べ一・七倍に膨らんだ。
 六月に政府が公表した新プランでは、一八、一九年度の二年間で二十二万人分の保育の受け皿を整備し二〇年度までに待機児童ゼロを目指す。需要増に受け皿の目標も拡大している。
 目標は達成してもらいたい。
 だが、実現には安定的な財源が不可欠だ。
 社会保障の制度では年金、医療、介護は社会保険方式だ。税とは別に保険料という独自の安定財源がある。だが、子育て支援にはない。消費税の増税分の一部を子育て支援にも使うことになっているが、確保できるとは限らない。それに10%への税率引き上げが先送りされているなかでは、得られる財源は限られている。
 一八年度の予算編成では、幼児教育・保育の無償化だけで必要額は一兆二千億円といわれ、合わせて待機児童対策の財源確保のあり方が焦点となる。自民党の小泉進次郎議員らが新財源として「こども保険」を提案した。厚生年金保険の保険料に上乗せして資金を集め子育て支援に回す案である。子育て支援にも安定財源を確保しようとの発想は間違っていない。
 ただ、社会保険方式だと負担は現役世代に限られたり、子どものいない人には恩恵がないといった問題点があり、世代間の公平性の観点からも検討が必要だ。
 与党内には赤字国債の増額を求める声も根強い。これ以上、将来世代にツケを回す構造は変えなければならない。社会保険以外にも税や他分野の歳出削減など財源捻出への選択肢が挙がっている。
 政府は議論から逃げず具体的な確保策を早急に示すべきだ。
 
   

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