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【産経新聞】 待機児童の増加 解消へ集中的に取り組め

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 認可保育所などに入ることができない待機児童が、今年4月1日時点で昨年より2500人ほど増えて2万6000人余りとなった。3年連続の増加である。
 保育所不足を懸念し、子供をもうけること自体を断念する人や、復職を諦める母親がいる。
 日本の少子化対策には、一刻の猶予も残されていないとまず認識すべきである。出産可能な女性数が激減してからでは、手の打ちようがなくなる。
 安倍晋三政権にはタイミングを逸しないよう、「待機児童ゼロ」に向けて集中的な取り組みを急ぐことを求めたい。
 当面の課題は財源の確保である。来年度予算で9万人分を確保するには、500億円ほど必要だ。保育の質を高めようとすれば、さらに費用を要する。
 今回の待機児童数の増加は、自治体ごとにばらつきがあった待機児童の定義を統一したことも一因だ。保護者が育児休業中でも、復職の意思があればカウントするようにした。
 一方で、厚生労働省は女性の就業が進み、保育所の需要が掘り起こされたことも理由に挙げる。
 だが、安倍政権は「女性の活躍推進」を掲げているのだから、需要が増えることを想定しておくのが当然だろう。
 「女性の活躍推進」の旗を振る以上、待機児童が3年連続で増えたことは手抜かりと言われても仕方がない。雇用情勢などへの責任転嫁は許されない。
 待機児童問題は、保育所の整備が進むほど、保育の潜在的ニーズが掘り起こされるという、いたちごっこが続く面もある。
 政府は今年度末としていた「待機児童ゼロ」の目標を3年先送りし、2022年度末までに32万人分の保育の受け皿を整備する新計画を立てた。
 待機児童が減るどころか、増え続けている現状は、新たな計画すら達成が容易ならざる状況にあることを示している。
 官による整備計画以外の発想も必要である。企業が従業員向けに設置するタイプの保育所にも期待がかかる。ただし、通勤時の満員電車に子供を連れて乗車するのを、ためらう人も少なくない。
 テレワークや在宅勤務といった自宅で子育てしながら働けるようにする取り組みも大事だ。企業側の工夫もさらに求めたい。

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