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【読売新聞】 発達障害の支援 就学時健診で把握を的確に

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 発達障害を持つ子どもが、学校で適切な指導や配慮を受けられるようにする。そのためには、早い段階での把握に努めることが大切である。
 発達障害には、対人関係を築くのが不得意な「自閉症スペクトラム障害」、衝動的に行動しがちな「注意欠陥・多動性障害(ADHD)」、読み書き、計算といった特定分野が苦手な「学習障害(LD)」などがある。
 いずれも脳の機能障害が原因とされ、低年齢から発症する。通常学級に在籍しながら、障害に応じて別室で特別な指導を受ける子どもは急増している。昨年度は、全国の小中学生の約1%にあたる9万8000人余りに上った。
 文部科学省が2012年に行った教師対象の調査では、通常学級に通う児童生徒の6・5%に学習や行動で著しく困難な面があり、発達障害の疑いが指摘された。
 入学時に障害が見逃され、周囲の無理解から放置されるケースが多いのではないか。不登校やいじめ被害にもつながりかねない。
 発達障害の早期の発見に有効なのが、小学校入学前に教育委員会が実施する就学時健康診断だ。障害の有無について十分にチェックしていない教委もあるという。
 文科省は、今年度中に健診の手引書を改定し、19年度の新入生から実施方法を見直す。子どもの行動について、保護者が気になる点を問診票に書いてもらうなど、検査内容を充実させる方向だ。
 保護者には、1歳半と3歳での乳幼児健診の結果の提出も求める。教委は発達障害の疑いがあるかどうかを総合判断し、必要に応じて医療機関の受診を促す。
 乳幼児健診は区市町村の保健部門で実施されるため、情報は共有されていないのが実情だ。親の理解と協力が欠かせない。小学校が、幼稚園や保育所との連携を強化することも必要だろう。
 入学後は、対人関係や日常的な行動の改善を目指す別室での指導態勢を充実させるべきだ。通常学級の指導でも、障害を踏まえたきめ細かい配慮が求められる。
 個別の教育支援計画を作成することで、中学、高校進学時にも切れ目のない支援が期待できる。
 重要なのは、教師が発達障害について正しい知識を持つことだ。「落ち着きがない」といった一面的な情報が独り歩きして、教師の思いこみや決めつけにつながるような状況は避けねばならない。
 教員養成課程の授業や教委の研修などを通して、適切な指導方法を学校現場に浸透させたい。

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