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【陸奥新報】 北朝鮮核実験「問われる中ロの決断」

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 国際社会を無視して、どこまで挑発と暴走を続けるつもりか。北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)用水爆の実験を行い、完全に成功した―と発表した。同国は7月に2回、ICBM「火星14」の発射実験を強行し、8月29日には中距離弾道ミサイル「火星12」の発射訓練で北海道上空を通過させたばかり。同国側の主張が本当ならば、米本土を射程圏内に収めるICBMの核搭載が現実となりつつあり、当然、日本にとっても脅威は日々増している。今後、核実験とミサイル発射の頻度がさらに高まらないか心配だ。
 新たに開発されたICBMの核弾頭は、広い地域の電子機器に障害を引き起こす電磁パルス(EMP)攻撃が可能な多機能弾頭という。通信・情報機器の機能を停止させ、インフラや都市機能を大混乱に陥れる厄介な兵器だ。
 北朝鮮は、核兵器やICBMを武器に米国などと対等に渡り合い、核保有国として認めさせたいのだろう。しかし、国際社会から孤立してまで、自国民のために得るものは何なのか。「先軍政治」が国民にもたらすものは何なのか。核を振りかざして“パワーゲーム”に血道を上げる前に、一国の主導者としての本分を学び直した方がいい。
 米国を中心とした経済制裁などによる圧力の強化が、現段階では北朝鮮に翻意を促す結果に結び付いていないのは残念だ。一時、金正恩朝鮮労働党委員長が発した「米国の行動をもう少し見守る」も、結果的には米韓合同軍事演習実施を理由に挑発行為をエスカレートさせる布石だったように映る。北朝鮮に融和的だった韓国の文在寅大統領も、遅ればせながら「最も強い対応策」の検討を余儀なくされた。
 国連安全保障理事会では、新たな制裁決議が議論される。焦点は、北朝鮮に対する石油輸出の制限が盛り込まれるかどうかだ。外貨収入源の締め付け策として、北朝鮮による繊維製品の輸出禁止や、北朝鮮からの出稼ぎ労働者の受け入れ制限強化も検討対象となる可能性があるという。
 石油禁輸は、8月の安保理制裁決議で採択が見送られていた。朝鮮半島の非核化を目標としつつも制裁強化に慎重な中国とロシアが反対したためだ。両国には北朝鮮の体制崩壊につながりかねないとの懸念があるという。北朝鮮労働者についても、その多くがロシアで働いているとされる。
 今回の核実験に対しては中ロ両国とも強く非難した。今後の安保理では両国とも制裁強化を認めざるを得ないのでは―との見方があるが、強化の度合いは不透明という。米国を中心とした制裁強化に手詰まりが指摘される中、中ロ両国の決断が北朝鮮問題の今後の鍵を握ると言っていい。

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