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【東奥日報】 粘り強く価値訴えたい/縄文世界遺産

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 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産登録を目指す「北海道・北東北の縄文遺跡群」について、本県など4道県の関係者がプロジェクトチーム(PT)を設置した。
 縄文遺跡群は、7月の国の文化審議会で5年連続で国内候補の推薦を得られず、2018年度の推薦を目指すことになった。PT設置は、17資産で構成する遺跡群の価値に関して説得力を高め、来年3月の推薦書素案の再提出に向け、素案を充実させるのが狙いだ。
 縄文文化は、狩猟・漁労・採集を基盤として定住を達成した世界的に稀有(けう)な文化であり、世界遺産としての価値を十分に有しているといえる。5年連続の推薦見送りは極めて残念だ。先日の北海道・北東北知事サミットでは登録に向けて全力で取り組むことを確認した。PT設置を新たなスタートとして、4道県が一層連携を強め、縄文文化の価値、魅力を粘り強く主張していきたい。
 文化審議会で、縄文遺跡群は、北海道・北東北における集落の展開や祭祀(さいし)の在り方に焦点を当て、単一の「地域文化圏」として説明している点について「価値がだいぶ明確に表現されてきた」と評価を受けた。一方、他の地域文化圏と比べて優れている点の説明や、縄文時代を代表する遺跡群として説得力があるかは「まだ突き詰めていく余地がある」と指摘された。
 縄文文化に精通していない海外の人たちに対して、理解を促すような説明も必要とされている。推薦書素案の一層の充実、磨き上げが求められており、PTは知恵を絞ってほしい。
 今回、国内候補として選ばれたのは大阪府の「百舌鳥(もず)・古市(ふるいち)古墳群」だ。文化審議会は「推薦に向けた準備が相対的に最も進み、顕著な普遍的価値が視覚的にも理解されやすいため」と選定理由を説明したが、なお課題もあるようだ。
 縄文遺跡群が最終的に目指すゴールは、国内推薦の先にある世界遺産登録だ。世界遺産にふさわしいかはユネスコの諮問機関・国際記念物遺跡会議(イコモス)が審査するが、遺産総数が千件を超え、審査は年々厳格化しているという。世界遺産には的確な保全・管理が求められる。国際的な視点を意識して、各遺跡がしっかりと準備を進めてほしい。

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