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【熊本日日新聞】 待機児童増加 保育財源の確保急ぎたい

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 希望しても認可保育所などに入れない待機児童の数が3年連続で増えた。女性の就業が進んで利用申し込みが増え、対応が追い付いていないことは明らかだ。
 政府は5月、待機児童をゼロにする目標時期を3年先送りし「2020年度末まで」としたが、達成への道のりは険しい。保育士の人件費など運営に必要な費用も膨らみ続けており、保育の量と質の改善につながる施策を急ぎたい。
 厚生労働省の発表によれば、今年4月時点の待機児童の数は昨年より2528人多い2万6081人。特定の施設だけを希望しているなどの理由から集計の対象外となった「潜在的な待機児童」も昨年より約2千人増え、6万9224人だった。
 保育の受け皿は昨年より約9万3千人分増えたが、利用申込者も9万人以上増えた。受け皿が増えると潜在的な需要も掘り起こされるため、問題は一朝一夕には解消されない。
 1、2歳児の保育所利用率も、16年度の42・2%から17年度は45・7%に上昇。これらの結果、保育所などの運営費は、13年度の8853億円から17年度は1兆5020億円とほぼ倍増した。0~2歳児向けの施設にしか入れず、その後の預け先に困る「3歳の壁」問題も顕在化している。
 自治体からは、受け皿を増やしても保育士を確保できないとの悲鳴も聞かれる。政府は17年度から保育士の給与を最大で月4万円上乗せする制度を創設したが、さらなる待遇改善を求める声もある。
 待機児童問題は都市部だけでなく地方にも波及している。熊本県の待機児童は275人で、3年ぶりに増加した。熊本地震の影響で施設整備が遅れている上、保育士も足りないため定員通りの受け入れができていないという。熊本市の待機児童はゼロだが、希望に沿わない保育所に通ったり入所を見合わせたりしている「保留児童」が373人に上った。
 政府が5月末に打ち出した「子育て安心プラン」は、18~20年度の3年間で保育所の整備や幼稚園での2歳児受け入れなどを進め、待機児童22万人分の受け皿をつくるとしている。厚労省は計画に沿って、18年度予算の概算要求に9万人分の受け皿整備や人材確保に必要な1397億円を計上した。
 しかし、新たに必要となる保育所などの運営費約500億円については、財源確保のめどが立っていない。高所得者への児童手当を廃止して捻出することが検討されているが、抜本策とは言い難い。企業や働く人からの保険料を上乗せする「こども保険」創設案も、使途が待機児童対策以外に広がる可能性があり、効果は未知数だ。
 「保育園落ちた
 日本死ね」の匿名ブログが国会で反響を呼び、政府が緊急対策を打ち出したのは昨年春のことだ。しかし、働く母親らを取り巻く現状は変わっていない。厳しい財政下ではあるが、国の将来を支える子どもたちのためにどう財源を確保するか…。政治の判断が問われている。

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