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【秋田魁新報】 北朝鮮、核実験強行 地域の不安定化許すな

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 北朝鮮が6回目の核実験を強行した。爆発規模は過去最大で「70キロトン」と試算されている。北朝鮮は国営メディアを通じ、大陸間弾道ミサイル(ICBM)搭載用の水爆実験に完全に成功した、と発表した。
 水爆は原爆を起爆剤にして核融合反応を起こす仕組みで、放出エネルギーは原爆より大きい。70キロトンは広島に投下された原爆(16キロトン)や長崎の原爆(21キロトン)の数倍の規模で、日本政府は「水爆実験であった可能性は否定できない」としている。
 昨年9月の5回目の核実験と比べても倍以上の規模になっており、北朝鮮の脅威は深刻さを増している。友好国の中国やロシアも「断固たる反対と強烈な非難を表明する」「最大限の非難に値する」との声明を発表した。
 北朝鮮は国際社会が制止するのも聞かず、しゃにむに核・ミサイル開発に突き進んでいる。最大の狙いは、米国の保証を取り付け、現在の国家体制を維持することにあるとされる。米本土に届く核ミサイルを持つことで、米国との交渉を有利に進められると考えているのだろう。
 だが、北朝鮮が核兵器を保有することは絶対に阻止しなければならない。北東アジア、ひいてはアジア全体の安定を大きく損なう恐れが高いからだ。地域の不安定化は経済成長などに影を落とすだけでなく、対抗して核保有を検討する国が現れかねず、その影響は計り知れない。
 日米韓は北朝鮮への圧力を強める方針で、国連安全保障理事会による新たな制裁決議の採択を目指している。石油の禁輸などを求めていくが、北朝鮮に石油を輸出している中国、ロシアの対応が焦点になる。特に中国は、石油禁輸が北朝鮮の体制を揺るがしかねず、自国にも影響する可能性があるとして慎重な立場という。
 北朝鮮に核・ミサイル開発をやめさせるには、日米韓が主張するように圧力を強化し、開発の代償の大きさを認識させることが必要だ。一方で、圧力の実効性を担保するには、対話重視の姿勢を示す中国とロシアの協力が欠かせない。
 日本を含むこの5カ国は、北朝鮮の核問題を巡る6カ国協議の当事者であり、「朝鮮半島の非核化」という共通の目標を掲げている。北朝鮮の離脱により協議は中断しているが、今こそ5カ国が協力して、北朝鮮に核開発の転換を迫る有効な対策を検討すべきだ。
 安保理で制裁を何度決議しても、核開発を止められなかったことを踏まえて協議する必要がある。それぞれ利害や思惑はあるだろうが、長期的視点に立てば地域の不安定化を回避することが何より重要だ。
 安倍晋三首相は7日にロシア極東でプーチン大統領と会談する予定で、突っ込んだ議論を期待したい。北朝鮮の核開発阻止が共通の利益であることを説き、協力関係を築いてほしい。

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