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【熊本日日新聞】 皇族減少 女性宮家の議論進めよう

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 秋篠宮ご夫妻の長女眞子さま(25)と大学時代の同級生で、法律事務所勤務の小室圭さん(25)の婚約が正式に内定した。結納にあたる「納采[のうさい]の儀」などを経て、結婚式は来年秋に行われる見通しだ。女性皇族の結婚は戦後8例目で、天皇、皇后両陛下の孫では初めて。良き人生の伴侶を得られ、新たな一歩を踏み出される眞子さまに、心よりお喜びを申し上げたい。
 皇室典範第12条は「皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる」と規定している。このため眞子さまは結婚後、皇籍を離脱される。
 現在の皇室は天皇陛下と皇后さまら皇族の計19人で、このうち7人が20~30代の未婚の女性皇族だ。今後も結婚により皇族の身分を離れる事態が予想され、皇族の減少は一段と進む。今回の慶事を機に、皇族減少への対処に真剣に取り組まなければならない。
 今年6月に成立した天皇陛下の退位を実現する特例法では、女性皇族が結婚後も皇室にとどまる「女性宮家」について、国会で付帯決議が採択された。「政府は、安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等について検討を行い、速やかに国会に報告すること」とあるが、期限については明記されておらず、議論の進展は不透明な状況だ。女性宮家は当時の民主党の野田佳彦政権下で創設が議論されたものの、政権交代で立ち消えになった経緯がある。
 女性宮家創設は、自民党をはじめとする保守系議員から「女性・女系天皇の容認につながる」と警戒感が強い。天皇の血を男性から継いでいるのが男系で、女性から継いでいるのが女系。現在の皇室典範は、天皇を男系男子に限るとしている。
 女性宮家の創設で大きな論点となるのが、生まれた子どもを皇族とするかといった点だ。仮に子どもが皇族となり、天皇になれば、歴史上、例がないとされる女系天皇が誕生することになる。
 皇室の伝統を守るという視点から反対論は根強い。一方で、女性の社会進出が進んだ現状から「時代にそぐわないのではないか」といった意見もある。女性・女系天皇を認めないのは男女平等に反するという意見もある。
 眞子さまは日本工芸会の総裁や日本テニス協会の名誉総裁を務め、国際親善を目的に海外を訪問されるなど公務に励まれてきた。その半面、先日の会見では「幼い頃より結婚をする時は、皇族の立場を離れる時という意識を持って過ごしてきました」とも話された。眞子さまが果たしてきた役割は大きく、皇室を離れられることを残念に思う国民は少なくないだろう。
 政府内では、天皇陛下の退位を実現する期日を、早ければ12月にも決定・公表する案が検討されている。皇室を安定的に継承・維持していくためにも、女性皇族をはじめ時代に即した皇室の在り方について議論を深めていかなくてはならない。

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