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【信濃毎日新聞】 公文書管理 第三者関与の仕組みを

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 法の基本理念に沿った仕組みになるか、目を注ぎ続けなければならない。
 公文書管理法のガイドライン見直しで政府が、関係書類を行政文書として保存するかどうか判断する責任者を各省庁に置く方向で検討を始めた。
 公文書として残すかどうか、省庁が自分で判断することになる。これでは透明な仕組みといえない。省庁にとって都合の悪い書類は「公文書ではない」として廃棄されかねない。
 国民の立場から法の運用に目を光らせる第三者機関の設置を考えるべきだ。
 見直しのきっかけは森友・加計学園問題の文書の扱いに対する国民の批判だった。
 森友学園への国有地売却で財務省の担当者は「資料は廃棄した」「面会記録は残っていない」との説明で押し通した。国民の共有財産の処分に関わる文書である。短期間で廃棄したとは、非常識、非現実的な説明だった。
 加計学園の獣医学部新設では、「総理の意向」などと書かれた記録文書に関し文部科学省は、「行政文書としては存在しない」と突っぱねた。約1カ月後に公表した際も「通常公表しない個人メモ」と言っている。
 何が公文書に当たるのか。法律は、(1)職員が作成し(2)組織的に利用し(3)行政機関が保有するもの、と定めている。森友、加計の文書は職員が業務で作り、使ってきた。公文書なのは明らかだ。
 行政文書の適正な管理によって行政の効率運用と、現在と将来の国民に対する説明責任が全うされるようにする―。公文書法は法の目的をこう定める。趣旨に沿ってしっかりした仕組みを作らなければならない。
 少なくとも、大事なメモは文書化するルールをはっきりさせるべきだ。1年未満で文書を廃棄できる規定は廃止する。その上で第三者によるチェックの仕組みを作る―。本来なら本格的な法改正が必要な場面である。
 担当者による恣意(しい)的な運用を防ぐには、NPO法人「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子理事長が言うように、メールや共有フォルダーで共有された文書は法的に行政文書とするのも一つのやり方だ。
 菅義偉官房長官はガイドライン見直しに関連して以前、行政文書と個人メモは「しっかり線引きをすべきだ」と述べていた。行政文書の範囲を狭める狙いとすれば情報開示に逆行する。 (9月6日)

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